幹事クリタのコーカイ日誌2014

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6月13日 ● 2014夏ドラマ展望。

 この夏のドラマのラインナップが出揃いました。まだ春ドラマのほとんどが終わっていませんが、サッカーが始まると余裕がないかも知れないので、早々に恒例のドラマ展望を書いてしまいましょう。春ドラマはバラエティに富んでいて、なかなか見ごたえがありましたが、それに比べて夏ドラマは警察、サスペンス、ミステリーものとパート2のオンパレードで、どうしてこんなに企画が似通ってしまうのかと少々うんざりです。

 まず今クール最大の話題作はフジ系月曜夜9時『HERO』です。かつての大ヒットドラマの続編。キムタクはパート2をやらないという伝説(?)も破っての再登場。それだけかつての視聴率男も近年は追い詰められてきたということでしょう。問題は前作から13年ものブランクがあって果たして視聴者が今さらついてくるかどうかです。

 主演の木村拓哉と脚本の福田靖、演出の鈴木雅之のゴールデントリオは変わらずですが、主要キャストにはそこそこの変動がありました。降りたのは松たか子、阿部寛、大塚寧々、勝村政信ら。もちろん亡くなってしまった児玉清も出ません。代わりに北川景子、杉本哲太、吉田羊、濱田岳、松重豊、正名僕蔵らが加わりました。八嶋智人、小日向文世、角野卓造、田中要次は続投です。正直、主役だけではなく脇もパワーダウンは否めません。時代が変わったことも含めて考えれば、視聴率20%確保できれば十分成功でしょう。

 同じ犯罪ものではやはり検事よりも警察ものが相変わらず定番です。TBS系火曜夜10時『東京スカーレット〜警視庁NS係』は女性係長がトップとして活躍する警察もの。ただ主演は係長役のキムラ緑子ではなく部下の水川あさみと生瀬勝久らしいです。他に菅原大吉、近藤公園、中村雅俊ら。どこからどう考えてもヒットしそうにない弱いキャストと企画ですが、TBSは何を考えているのでしょう?

 日テレ系水曜夜10時も警察が舞台で『ST赤と白の捜査ファイル』。原作は今野敏、最近はやりの科学特捜ものです。主演は藤原竜也と岡田将生。他に志田未来、芦名星、窪田正孝、三宅弘城、柴本幸、田中哲司、林遣都、瀬戸朝香、渡部篤郎ほか。なかなか渋い大河ドラマの脇役的なキャスティングですが、ちょっと「どこかで見た」感が強いのが残念です。主役2人のパワーがどこまであるかが勝負です。

 テレ朝系木曜夜9時は監察医もので『ゼロの真実〜監察医・松本真央〜』。脚本は大石静と大物をもってきました。主演は武井咲、共演は佐々木蔵之介、生瀬勝久、橋爪功、真矢みき、でんでん、六角精児、和田正人ほか。オスカー枠なのかも知れませんが、武井咲が監察医で果たして大丈夫なんでしょうか?説得力ないですけど。

 ミステリードラマとして気合が入っていそうなのがTBS系金曜夜10時『家族狩り』。原作は天道荒太、脚本大石静(1クールで2本!)。3家族をめぐる群像劇で、出演は松雪泰子、伊藤淳史、北山宏光、水野美紀、篠田麻里子、平岡祐太、山口紗弥加、井上真樹夫、秋山奈津子、浅田美代子、財前直美、遠藤憲一ほか。ジャニーズあり元AKBありとキャストがバラエティに富んではいますが芯がない感じで目が散りそうです。うまくまとまりがつくのでしょうか?

 他にもサスペンスドラマとしてはTBS系月曜夜8時『ペテロの葬列』もあります。主演は小泉孝太郎、共演は長谷川京子、国仲涼子、室井滋、長塚京三、平幹二朗ら。昨夏の『名もなき毒』に続くシリーズ続編。前回は視聴率が右肩下がりでしたが、それでも第2弾をもってきたということは手応えがあったのでしょうか。

 日テレ系土曜夜9時はこれが何回目?と思ったら連ドラとしては13年ぶりだという『金田一少年の事件簿N(neo)』。わざわざN(neo)とする意味がよくわかりません。スペシャルでずっとやっていたんだから、もう連ドラにする必要もあるのかとも思いますが、ジャニーズ枠としては大事なヒットコンテンツなのかも。主演はスペシャルに続いて山田涼介、共演に川口春奈、有岡大貴、浅利陽介、山口智充ほか。ジャニーズファン以外はあまり興味ないでしょう。

 同じくマンガが原作の人気シリーズものとしてはフジ系火曜夜10時『GTO』があります。2年ぶりの登場ですが主演は変わらずAKIRA。共演は比嘉愛未、山本裕典、松岡未優、菊池風磨、田山涼成、城田優、黒木瞳ほか。夏の湘南を舞台にした夏らしいドラマだけに一定のファンから手堅く視聴率を取りそうな感じです。そして、ここにもジャニーズ。露出多いです。

 さらに同じくジャニーズファン向けのマンガ原作続編ドラマとしてはテレ朝系木曜夜7時58分『信長のシェフ』。昨年深夜枠でヒットしたのを受けて、今回はゴールデン進出です。主演はこちらも変わらず玉森裕太。共演は及川光博、志田未来、高嶋政伸、佐々木希、市川猿之助、稲垣吾郎らゴールデンらしく豪華になっています。玉森は大先輩稲垣を脇に従えての主演。これもSMAPとキスマイの関係だからでしょう。ジャニーズファンに時代劇ファンを取り込んでさらにゴールデンタイムに進出したことで、このドラマは意外とヒットするかも。

 続編と言うよりはリバイバルとして注目なのはフジ系水曜夜10時『若者たち2014』。50年近く前に田中邦衛主演でヒットした青春ドラマです。フジテレビ開局55周年記念ということでキャストもスタッフもかなり力が入っています。出演は妻夫木聡、瑛太、満島ひかり、柄本佑、野村周平、蒼井優、橋本愛、吉岡秀隆ほか。演出に杉田成道を起用して、オーソドックスな青春ドラマが展開されそうですが、ひとつ間違うとただの古臭いドラマになりかねません。今の「若者たち」に受けるのやらどうやら。

 古臭いという意味ではTBS系木曜夜9時『同窓生〜人は、三度、恋をする〜』も同じ。柴門ふみ原作のマンガを今ごろドラマ化して果たして受けるのでしょうか?40歳の男女が中学の同窓会で再会して不倫する恋愛ドラマ。井浦新、稲森いずみ、板谷由夏、松岡昌宏ほか。ターゲットはアラフォーの女性向けでしょう。オヤジには興味がわきません。柴門ふみはいま一番中途半端に古いのでダメなんじゃないかなぁ。

 不倫ドラマのド直球路線がフジ系木曜夜10時『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』。平日の昼間に不倫をする主婦たちのドラマ。完全にターゲットは30代40代の主婦層です。主演は上戸彩、吉瀬美智子。共演は斉藤工、伊藤歩、木南晴夏、鈴木浩介、高畑淳子、北村一輝ほか。昼ドラでやらずにこれをゴールデンでやるというのが理解できません。上戸彩がエグイ役をやるのもチャレンジャーです。

 本当の意味でチャレンジングな企画として注目なのはTBS系日曜夜9時『おやじの背中』。数々のホームドラマをヒットさせてきたこの枠ですが、今回は父子の関係をテーマに毎回異なる10人の脚本家がオリジナルストーリーを書いて、それを10組のキャストが演じるという連ドラとは言えないオムニバスのようなドラマです。かなり保守的なファンが多いこの枠としては実験的な企画だと思います。

 10人の脚本家は、池端俊策(出演:大泉洋)、井上由美子、岡田惠和(出演:田村正和、松たか子)、鎌田敏夫(出演:渡瀬恒彦、中村勘九郎)、木皿泉、倉本聰(出演:西田敏行)、坂元裕二(出演:役所広司、満島ひかり)、橋部敦子、三谷幸喜、山田太一。いずれも名だたるベテラン脚本家ばかりですが、個人的にはTBSなのにクドカンが入っていないのが残念です。脚本家、父親役、子ども役、という組み合わせの妙が10通り楽しめるので、ドラマを脚本家で見るファンなら見応えがあるでしょう。脚本家ごとの視聴率の結果も楽しみです。

 最後に深夜枠から注目ドラマを2本、ひとつは「勇者ヨシヒコ」シリーズの福田雄一が脚本・演出するテレ東系金曜深夜0時12分『アオイホノオ』。島本和彦のマンガ原作を福田ワールドでどう見せるか。出演も柳楽優弥、山本美月、安田顕、ムロツヨシ、中村倫也と癖のあるメンツが揃っています。

 同じくテレ東系金曜深夜0時52分『アラサーちゃん無修正』は峰なゆか原作コミックのドラマ化。アラサー世代の恋愛事情をリアルに描くということで、いまどきのドラマにしてはかなり際どい描写があるらしく、もしかしたら「伝説のドラマ」になるのではないかと期待しています。主演は壇蜜。共演は川村陽介、忍成修吾、みひろ、今野浩喜、川村エミコ、信川清順、佐藤仁美ほか。

 ミステリードラマも恋愛ドラマもあまり興味がわかないので、今クールは心ひかれるドラマが少ないのですが、とりあえず要チェックだなと思っているのが『HERO』、『信長のシェフ』、『おやじの背中』。後はテレ東の深夜枠2本。ただ最後まで見そうなのは1本あるかないかですねぇ。  


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