幹事クリタのコーカイ日誌2014

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5月21日 ● ASKAの作品に罪はあるのか。

 チャゲ&飛鳥の飛鳥(いつの間にやらASKAに改名していたらしいです)が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されました。そのこと自体に僕はあまり興味がありませんが、その問題の余波で彼の作品が一斉に販売中止・回収となっているのが腑に落ちません。なぜアーティストが事件を起こしたら作品まで売らないようにするのか、そこまで作者と作品を一蓮托生に関連付けるのはおかしいのではないかと思います。

 中でも酷いのが6月18日発売予定だった宮崎駿監督のBD/DVD−BOX「宮崎駿監督作品集」が発売延期になった件。特典映像としてチャゲアスの「On Your Mark」が収められていたので、それをカットして7月2日に発売延期することにしたそうです。百歩譲ってASKAの楽曲が一時的に発売停止になるのはまだしも、これは彼だけの作品ではありません。宮崎監督の映像として発売されるものなのに、それをカットするというのはおかしな話ではないでしょうか。作品集として不完全なものを敢えて発売する意味がわかりません。

 そもそも作品の素晴らしさと作者の人間性の素晴らしさがシンクロなんかしないことは、大昔からみんな知っているはずです。むしろ優れた芸術はある種の狂気から生み出される方が多いのではないかと思います。それはモーツァルトの一例を出すだけで十分でしょう。しかし、だからと言ってモーツァルトの作品を販売中止せよとは誰も言いません。もし人格者と言われる人のアートだけを世の中に出しても良いということになったら、どんなにつまらないことになるかは想像するまでもありません。

 ASKAの作品だって今は一時的に回収しているだけでしょう。井上陽水にしろ槇原敬之にしろ、過去にこうした不祥事をやらかしたアーティストはいくらでもいますし、それもほとぼりが冷めた頃にはしれっとまた復活しています。きっと数年経てば宮崎監督の作品集も完全版として出るだろうと思います。その時にまたファンが買い直してくれるだろうなどと「二度おいしい」計算を発売元のウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンがしているとしたら情けない話ですが。


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