２０１６年のＮＨＫ大河ドラマが『真田丸』に決まり、脚本は三谷幸喜、主演は堺雅人が濃厚だというニュースがありました。大河ドラマを毎年見ている（でもつまらないと途中で脱落する）僕としては、久々に諸手を挙げて歓迎したい大河となりそうです。

　一番の期待は何と言っても三谷が脚本を書くこと。前回の大河『新選組！』も面白かったですが、なにせこの時は大河初挑戦。あれからさらにキャリアを積んだ三谷がどれほど大河を書きこなすのか楽しみにしたいと思います。歴史好きな三谷だけに、ファンを唸らせるような作品になると期待しています。

　またテーマが真田幸村（信繁）というのもグッジョブです。大河でまだこんなメジャーな人物を取り上げていなかったかと驚いたほど。日本人が大好きなスーパーヒーローにして悲劇の主人公。しかも時代が関ヶ原から大坂夏の陣まであたりが話の佳境になるわけで、この時代を取り上げるのも珍しいでしょう。幸村の死とともに徳川２６０年の安泰が始まるわけですから、まさに歴史を区切った主人公になります。

　三谷と言えば「あて書き」で有名なだけに、キャストも当然三谷組を中心に力の入ったものになるでしょう。願わくば大物は脇で締める方に回ってもらって、これから期待の若手を中心人物にどんどん登用してもらいたいものです。今回主役の堺雅人が『新選組！』で一気にブレイクしたように、この『真田丸』をステップにして新しいスターが生まれてくることも期待したいところです。

　最後の期待は「真田十勇士」の扱い。講談では人気の架空のキャラクターだけに、時代劇ではない歴史ドラマの大河で取り上げにくいかもしれませんが、十勇士抜きの真田幸村では魅力半減です。これをどううまく使いこなすかが三谷脚本一番の見どころでしょう。