幹事クリタのコーカイ日誌2014

[ 前日翌日最新今月 ]

 
4月5日 ● 錦織に続く新星への期待。

 いよいよ日本が初めての世界4強入りを狙うデ杯準々決勝チェコ戦が始まりました。1回戦のカナダ戦では錦織が3勝を上げる大活躍でしたが、今回はその錦織は欠場、さらにナンバー2の添田までが体調不良ということで、日本はナンバー1&2を欠いた状態で世界ランキング1位、3連覇を目指す王者チェコと戦うことになってしまいました。相手のチェコもエースのベルディヒが欠場しているので、錦織が健在ならシングルスで2勝の期待も十分もてましたが、こうなるとなんとも苦しい戦いになってしまいます。

 昨日のシングルスは第1試合が伊藤竜馬(146位)vsステパネク(47位)、第2試合がデ杯初出場のダニエル太郎(190位)vsロソル(40位)。ランキングだけ見ても圧倒的不利です。チェコの監督には戦前「錦織と添田は見たことあるけど」などと軽んじられる始末。有明に詰め掛けた観衆もかなり悲観的だったと思います。

 しかし初戦の伊藤が頑張りました。冷静でクレバーなゲーム運びで1セット目をステパネクから取ったのです。しかし2セット目をリードしながら逆転で取られてからはすっかりステパネクのペースに。このあたりの試合運びの上手さはさすがベテランです。結局そのまま3セット連取されて1-3で伊藤は敗れてしまいました。伊藤も一時期に比べれば復調してきているので、またトップ100入りを目指して頑張ってもらいたいものです。

 伊藤以上に頑張ったのがダニエル太郎です。アメリカ人と日本人のハーフのダニエルは14歳でスペインに移住して、ずっとバレンシアを拠点において練習している21歳。190センチの身長とスペイン仕込の安定感、そしてタフなメンタルを生かしてどんどん力をつけてきている新鋭です。デ杯初出場ながら今回抜擢されたのはその豊かな将来性を見越して経験を積ませるためでもありますが、それだけにとどまらない見事な活躍を見せてくれました。

 1セット目、2セット目とも先にブレイクされて4-6で落とし2セットダウン。しかし3セット目からロソルのサービスに対応できるようになり粘りのテニスを発揮。なんと2セットを奪い返しタイにしてファイナルセットに突入しました。ただ5セットマッチが初めてというダニエルと昨年のウィンブルドンではナダルを破るなど経験豊富なロソルではやはり地力が違いました。ロソルはファイナルに入ると一気にギアを上げてダニエルを突き放し、結局日本は初日2連敗という結果に終ってしまいました。伊藤同様ランキングの差がそのまま出た感じです。

 もちろんデ杯は勝負ですから勝たなければならないのですが、現実問題として錦織が欠場した時点で日本に勝ち目はほぼありません。その中でダニエルの奮闘は将来への大きな希望となりました。日進月歩の進化を続けているダニエルは来年の今頃にはトップ100に入っているかも知れないし、2年後にはトップ30かも。それくらいのポテンシャルは感じる戦いぶりでした。もしダニエルがそこまで成長すれば錦織と日本は2枚看板を持つことになり、デ杯での戦いもかなり楽になります。歴史的勝利はもう少し先に取っておきましょう。


gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」