幹事クリタのコーカイ日誌2014

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3月11日 ● 喉元過ぎても熱さは忘れず。

 東日本大震災から3年が過ぎました。まだまだ記憶に新しく、また被災地では復興途中ですし、仮設住宅に住んでいる人もたくさんいるし、福島もなんら根本的な解決にはいたっていません。当然、この時期になると震災の特別番組が多く流れるし、新聞や雑誌も特集記事を掲載します。

 まだ忘れてはいない、それは確かにその通りです。しかし3年前には日本中がわがこととして痛みを感じ、当事者意識をもって対処していたはずなのに、今やすっかりこの時期だけの話題になってきていることも否定できません。そういうものだと言えば、もちろんそういうものでしょう。時間の経過とともに人はどんな痛みも苦しみも記憶から薄れていく生き物です。

 ただそれにしても「忘れっぽいなぁ」とは思わざるをえません。震災が起きた時には、今後10年、いや20年くらいは日本はこの痛みとともに生きていくのかと思いました。ところが3年でこれです。忘却のスピードは速まるばかりですし、もしこの先にまた大災害が起きたら一気にそちらに目が向いて東北のことは片隅に置かれてしまうことでしょう。災害列島と呼ばれるこの国のことですから、そうした不幸なことも十分考えられます。

 時代の変化のスピードがどんどん速くなっているから仕方ないのかも知れません。また日本人は努力家だから災厄が起きれば一丸となって乗り越えようとするので、乗り越える過程でより忘れやすくなっているのかも。恨んでいるだけでは前を向けませんからね。辛いことを消し去りたいという意思は時に強い力を発揮します。

 でもやっぱり、まだまだ忘れてしまってはいけません。いまも苦しんでいる多くの人たちがいますし、これから先も当分解決しないであろう福島のこともあります。そしていつまたやってくるかも知れない災厄に備えるためにも、喉元を過ぎても熱さは忘れてはいけないのです。あの日からまだたった3年です。


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