幹事クリタのコーカイ日誌2014

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1月25日 ● ナダルとフェデラー。

 昨日の全豪オープン男子シングルス準決勝のナダルvsフェデラーは事実上の決勝戦と言われた注目の一戦でした。昨年故障から復帰して以来破竹の勢いで勝ち続けている王者ナダルに対して、昨年キャリアでどん底の成績から少しずつ復活しはじめているかつての王者フェデラー。今大会のフェデラーは好調で全盛期に近い動きを取り戻しているのに対し、ナダルは4回戦の錦織、準々決勝のディミトロフと若手挑戦者と左手にできたマメに苦しめられてきました。今の勢いではフェデラーに分があるかとさえ思われました。

 しかし終わってみたら、相変わらずいつものナダルとフェデラーの試合でした。ナダルは執拗にフェデラーのバックハンドに高く弾むボールを送り続け、フェデラーが攻撃的なショットをいくら叩き込もうとも、それを全て弾き返しフェデラーのエラーを誘いました。そこにいたのは若手に苦しめられたナダルではなく、かつての王者フェデラーに食らいついていた若い頃のナダルでした。そしていつものようにフェデラーの「矛」をナダルの「盾」が破ったのです。結果は7-6(4)、6-3、6-3とストレートでナダル。フェデラーは第1セットのタイブレークを落としてしまったのが全てでした。

 これで2人の通算対戦成績はナダルの23勝10敗。グランドスラムに限って言えばナダルの9勝2敗と圧倒しています。その輝かしい戦績からテニス史上最強とも言われるフェデラーですが、これだけナダルに負けこんでいてはとても最強とはいえません。史上最強の選手に大きく勝ち越しているナダルこそが最強でしょう。日曜日の決勝でナダルが勝てば14個目のグランドスラムタイトルとなり史上2位のサンプラスに並びます。そしてフェデラーの17個というタイトル数の背中がいよいよ見えてきます。

 もっともフェデラーにとってはこの敗戦はそれほど大きなショックではなかったと思います。まだ復活途上ですし、エドバーグをコーチに据えたばかりです。ツォンガ、マレーを下し、ナダルと互角の打ち合いをしてのベスト4なら成果はありました。得意の芝のウィンブルドンこそがフェデラー復活の舞台にふさわしい場所です。体調さえ十分ならまだまだできることを証明してみせただけでも収穫があったとことでしょう。今後のアメリカでのハードコートシーズン、そしてヨーロッパでのクレーコートシーズンをフェデラーがどういう成績で乗り切っていくのか楽しみです。


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