面白い日本シリーズになりました。楽天が東京ドームで２勝して王手をかけて仙台に戻ります。Ｋスタでの２試合に続き、東京ドームでの３試合も実に見応えがありました。特に昨日の第５戦では楽天の則本の力投、ジョーンズの激走、そして藤田の涙が楽天の士気を大いに高めました。巨人も頑張りましたが、最後は気持ちで押し負けたという印象です。実に熱い日本シリーズです。

　楽天にしてみれば昨日則本をあれだけ投げさせて負けていたら、仮に田中でタイに持ち込んでも最終戦の投手がいない事態になるところでしたから、昨日はまさに崖っぷちの一戦。巨人も昨日負けたことで無敗の田中を打ち崩すしかなくなったのですから、こちらもまた崖っぷち。お互いにギリギリのところで戦っている緊張感が高校野球並みの必死さを感じさせてファンをもヒートアップさせています。

　王手をかけた楽天は田中を擁して地元で日本一を決められれば美しいエンディングです。星野監督は初めての日本一を巨人相手に達成できればもうやり残したことはないでしょう。負けない田中が地元で投げるのですから、楽天が有利なことは間違いありませんが、ただ万一田中で落とした場合は一転して大ピンチになります。

　なにせ楽天は戦力が巨人に比べて圧倒的に不足しています。田中、則本も注ぎ込む総力戦で７戦目を挑むにしても、総力戦となれば戦力豊富な巨人が有利。強力な控え選手が多いので代打もリリーフ投手も使い放題です。楽天は田中で何としても勝たないと本当に「逆王手」をかけられた状態になります。

　大きな大きな一戦となる第６戦。巨人の鍵を握るのはもちろん絶不調の阿部です。今の巨人打線の状態なら田中からそうそう点を取ることができるとは思えませんから、ここまで全く「死に体」状態の阿部が復活できるかどうか。そして菅野が田中相手に先取点をやらずに我慢できるかどうか。土曜日は見逃せません。