昨日、いきなりアポなしで旧友のＮ村くんが会社に訪ねてきました。２０代半ばからの古い友人で、昔は一緒に仕事をしていたこともありますが、いまはライバル企業の人になっています。年齢も同じで若い頃から妙にウマが合うのでよく一緒に遊びました。ただこの数年は音信不通だったのに、いきなりやってくるとは相変わらず行動が読めない奴です。

　Ｎ村くんは見た目は実に温和で人畜無害な「のび太」顔ですが、その風貌に似合わず昔から無類の女好きの風俗好き。最近はどうしているのかなと思って聞いたら「カンクラにはまってまして」と言います。なんだそれと思ったら「韓国クラブ」、つまり韓国人女性が接客するお店だそうです。整形美人がたくさんいるそうですが「別に整形でも何でもキレイなら良い」そうで、そりゃそうだと。美人が隣に座ってお触りしてくれるそうで、もう頬が緩みっぱなしになるそうです。はまっているのでアフターも行っているとか。

　「問題は高いんですよ」と言うので、いくらくらいかかるのかと思ったら「１回２万円くらい」だそう。ビックリです。座って２万円、ボトルを入れたらさらに２万５千円。仕事仲間を連れて行って奢ったら８万円〜１０万円かかるとか。それを全部自腹で払っているというのですから驚きです。普通のサラリーマンのやることではありません。それは開業医とか芸能人とかがやることです。

　よくお金があるね、と言うと「いや、給料全部それにつぎこんでしまって。１ヶ月で３０万円くらい使ってしまいました」って。大馬鹿です。本来なら小遣い制なのにカードで払っているものだから、口座から引き落としできなくなってしまったそう。家計を管理している奥さんはもちろん生活費も足りないので貯金を取り崩しているそうです。小遣い制もへったくれもあったもんじゃありません。

　しかもアフターとか行くと当然朝までになるので、家に帰らずに会社に泊まり、３日目くらいに名古屋市内の自分の実家でお風呂だけ入りに行くそう。郊外の自宅に戻るのは週に１〜２回だとか。もう家に帰るのが怖いので、ますます足が遠のいているそうです。もう完全に「火宅の人」です。若い頃からよく遊んでは会社に泊まっている奴でしたが、まさか５０歳を過ぎてまだそんな生活をしているとは思いませんでした。人はそうそう変わらないとは思っていましたが、ここまで変わらないというか、成長していない奴はあまりいません。

　さすがに給料全部をカンクラにつぎ込む生活は無理があったみたいですが、「最近はもう少し安い中国クラブか熟女キャバクラが多いです」だそうで、そういう店には興味がない僕にはなぜそうまでして行きたいのか訳がわかりません。もう子どもも成人したそうですし、そろそろ奥さんから三行半を突きつけられるのも時間の問題かも。結婚披露宴で彼ら夫婦のために「乾杯」を歌ってからもう四半世紀。むしろ、こんな男がよくもったと言うべきでしょうか。