娘がついに自動車学校に通い始めました。当初は大学に入学したらすぐに行くと言ってた癖に、なんだかんだとずるずると先延ばしにしていて、ようやくこの２年生の夏休みに行く気になりました。まあ就活が始まったらそんな余裕もないでしょうから、行くなら「今でしょ」ということです。

　僕が免許を取ったのは大学１年でした。今からもう３４年も前のことです。金銭的に余裕がなかったので自動車学校に行きたくても行けず、友人たちがどんどん免許を取るのを横目に見ていました。なにせうちの親は大学の授業料さえ自分で払えという親でしたから、自動車学校に通う費用を出してくれるわけもありません。しかし大学１年の夏休みに「このままだとモテない！」と思わされることが立て続けにあったので、必死で金策をして秋から自動車学校に通い始めたのです。

　なるべく安く上げるためには短時間で合格しないといけません。かなり頑張って最短で卒業し免許を取得したのが１２月初旬でした。これでようやく女の子にモテるようになるかと言えば、もちろんそんなわけにはいきません。僕の両親はともに免許すら持ってなかったので当然実家に自家用車はありません。自動車学校に通う費用さえ無理やり作ったくらいですから、免許を取っても車を買うお金もありません。

　今度は１年かけてバイト代を貯めて車を買うお金を作りました。ようやく２年生の年末に中古のサニーエクセレント1400ＧＬを２７万円で購入。白の４ドアで４年落ち。オジサン臭さはありましたが贅沢は言えません。エアコンやオーディオどころか間欠ワイパーもトランクオープナーすらついていないサニーでしたが、クーラーとカセットデッキを取り付けて何とかデートできるところまで仕上げました。

　モテるようになったかどうかは微妙でしたが、車がある生活はとにかく楽しいものでした。これほど生活に変化をもたらしてくれるとは購入前には想像もできませんでした。自分の家に「マイカー」がなかったから余計にそう感じたのでしょうが、５０年以上の人生でいろいろな買い物をしてきましたが、今でもあの初めて買った車に優る買い物はしたことがありません。

　いまどきの若者は「車離れ」が激しいからそういう感動はあまりないのかな？トヨタが「免許を取ろう」と若者に訴求しなければならない時代ですから無理もないですが。