幹事クリタのコーカイ日誌2013

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6月27日 ● コーチ受難の時代。

 僕が通っているテニススクールのヘッドコーチが突然やめてしまってスクール側がその対応に追われて大変だったようです。スクール生の間ではいろいろな噂話が流れていますが、所詮は噂話に過ぎないので本当のところはわかりません。ただ突然ヘッドコーチがいなくなるというのは本当に大きな穴が空いてしまうわけで、対応に苦慮するのも当然のこと。事情はともかくスクールにとっては痛手でしょう。

 一般論としてテニスのコーチ業というのはなかなか苦労の多い仕事だと思います。まず体が動いてナンボというところがあるので、中年以降かなり体力的にきつくなってきます。また効率よく儲けるには時間単価を上げるしかありませんが、当然その単価に見合うレッスンができるかどうか、教えて貰う方もかなりシビアに判断してきますので、安易な値上げをすれば生徒が離れていってしまいます。

 さらに市場が縮小傾向にあり、そうなるとむしろ過当競争で値下げ合戦になる可能性もあります。いまテニスを熱心に習うのはジュニアかオバサンくらいなものです。ジュニアは少子化の影響をモロに受けているので、マーケットが大きいオバサン相手が一番ですが、彼女たちはお金にシビアな上に、テニスの技術以外のコミュニケーション能力の高さも求められます。もちろんルックスも良いにこしたことはありません。コミュニケーション能力が高くてルックスが良いなら、テニスのコーチをするよりも女性相手の営業マンになった方が多分儲かります。

 テニスに限らず語学だろうが音楽だろうがお茶お花だろうが、あらゆるジャンルでコーチとか先生とか言われる職業に就くのは現代では大変になってきていると思います。僕たちが子どもの頃は、人に教えてもらう時には相手を「師」と敬って言うことを聞いたものです。師の言うことは絶対であり、疑問を持たず全て受け入れるのが当たり前でした。上達しないのは自分たちの努力不足であり、師の言うことをわからない自分が悪いと考えました。

 ところが最近では彼らは「サービス業」であるという認識に変わりつつあります。教えてもらう側がお金を払って雇っているんだから、きちんと上達させる義務がある、もし上達しなければ教える側に問題があるからさっさとクビにして次のコーチを探すという発想です。しかもこちらが客なんだから教える側はもっと生徒に丁寧に対応しろという態度です。

 いやはや、実にイヤな風潮です。そして、そんな態度だから上達しないんです。教える側のせいにして自分が努力をしなければ、いくら名伯楽でもどうしようもありません。師はあくまでも師です。僕はテニススクールのコーチもサックスの先生、ピアノの先生、そして山本麻友美プロも師だと思って尊敬しています。まあみんな僕より随分と年下なので、僕の態度はかなりフランクですが、言われたことは全て受け入れてやるようにしていますし、教えてもらえることに感謝もしています。まあ尊敬もできなければ感謝する気にもなれない師は、師ではないので見切りをつけちゃいますけどね。



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