幹事クリタのコーカイ日誌2013

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5月24日 ● 豪遊している60代。

 昨日数年ぶりに会社のOGのSさんとランチをしました。Sさんは昭和20年生まれ、僕より16歳年上の68歳。新入社員時代から随分と公私ともにお世話になった方で、今は悠々自適な毎日を送っているのですが、その悠々自適ぶりが半端じゃなかったのに驚きました。

 Sさんは昨年春で定年後に再就職していた某大学の広報の仕事を退職し、Sさんのご主人も昨年定年で国立大教授を退職されたので、昨年は2人でちょっと旅行に行こうかということになったそう。そう聞くと普通なら別府とか箱根とかの温泉地でのんびりしてくるとか、せいぜい香港とかハワイとかかなと思ったら、想像をはるかに上回る規模で「ちょっと旅行」に出かけていました。

 トルコ、ブータン、敦煌・西安、ドイツ・オーストリア、スペイン。なんと1年で5回も海外旅行に行ったそうです。それも金持ちの友人たちとツアーを組んで、現地の知り合いの日本人にアテンドさせてという大名旅行。ブータンなど向こうの大臣クラスと会食したりしてきたとか。やりたい放題のセレブな旅だったようです。

 今年になって会社のOB連中に誘われて台湾にも行ったけど、それは本当にお付き合いで的なこともポロッと言っていて、下々の旅行はもう楽しめないようになっているみたいです。来月は今度はブルゴーニュにワインを飲みに行くらしく、一体どれだけお金持ちなのか見当もつきません。あまりの豪快な遊びっぷりに羨ましいという感情を通り越して笑ってしまうくらいです。

 Sさん夫妻は特別だとしても、いまの60代は本当に優雅です。特にSさんのように夫婦2人でしっかり稼いできた人たちは、蓄えもあるし年金もたっぷり貰っているし、安い時に購入した立派な持ち家はあるしで、日本の歴史上でも有数の貴族っぷり。しかもSさんたちは親の遺産がたんまり入ったわけでもなく、真面目に働いて自分たちで稼いだお金でこの暮らしが成り立っているのですから、まさに戦後日本の高度成長経済の勝利というか賜物だと思います。

 そして僕たち世代はSさんたちに比べたら明らかに損をしています。同じように真面目に働いてきたのに年金は65歳まで貰えないし、そもそも50代になったら驚くほど給料は減り、この先の退職金もこれまで通りに出るのか心配。さらに言えばいまの40代以下はもっと先行き不安で、しかも若い頃から不況で一度も「いい目」を見ることもないままという可能性が高いです。我々世代は若い頃にバブルを経験しただけまだ楽しい思い出があって良かったのかも。

 アベノミクスで株価が上がっても、物価も上がって住宅ローンの金利も上がって消費税も上がって、そして給料は下がるのでは暮らしはますます苦しくなります。うーむ、どこに救いを求めていいのやら。せめて定年後に一度くらいは海外旅行に行きたいけどなぁ。



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