幹事クリタのコーカイ日誌2013

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5月10日 ● 野党の不毛な成果。

 参院環境委員会の自民党・川口順子委員長が解任されました。衆参通じて常任委員会の委員長の解任決議は初めてのことだそうです。それで川口委員長がどんな悪いことをしたのかと思いきや、国会の承認が無いまま海外出張を延期したからだそうです。それも観光していたわけではなく、中国要人との会談のためだそうで、事前に出張の延長を願い出たのに野党側の了解が得られず、仕方なく北京滞在を延長。そのために予定されていた環境委員会が中止となったとのこと。

 これのどこが解任するほどの悪いことなのか、さっぱりわかりません。ほとんど事務手続き上の話であり、環境委員会は中止にしなくても委員長代行を立てれば済むこと。この微妙な時期に中国要人との対話の方がずっと優先されるというのは誰でもわかります。もとはと言えば野党の嫌がらせのようなものなのに、野党7党は自民党の擁護を突っぱねて最後までクビを要求し、最後は自民党が欠席したまま解任を決議したそうです。

 これを野党側は与党の要職に就く相手を討ちとった「成果」だと考えているのでしょうが、誰にとっての成果なのかさっぱり意味がわかりません。そもそも川口委員長が中国要人と会わなければならない事態に陥っているのは、日中関係がかなり深刻に悪化しているためであり、そのもとを作ったのは弱腰外交をして中国をつけ上がらせた民主党政権や、逆に中国を過剰に刺激し続けた石原慎太郎でしょう。もちろん安部首相の強硬姿勢にも一因はあるとは言え、中国とのパイプを持つ政治家が少ないからこそ、元外相の川口委員長が民主党や石原の尻拭いに出向いているわけで、その人間を自分たちでクビにして、果たして今後誰が中国と折衝を重ねていくというのでしょう。

 いつまでも野党が「内向き」の論理で与党のあげ足取りばかりしていると、ますます支持者は離れていくばかりです。いくら中国が反日国家であっても、経済だけではなく環境でもずっと深く関わっていかなければならない隣国であることには変わりありません。これでますます日中間の対立が深刻化したら誰にとっても得はありません。たとえ自民党にも反省すべき点はあったとしても、今回の野党のやり方には呆れるばかりです。



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