幹事クリタのコーカイ日誌2013

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5月8日 ● 谷繁の価値は安打数ではない。

 ラミレス、中村紀に続いて谷繁も2000本安打を達成しました。以前にも書きましたが、2000本安打だけを数ある記録の中で特別扱いすることの意味がわかりませんが、とりあえず谷繁が最長試合、最高齢で到達したことは素晴らしいと思います。ただ谷繁という選手の価値は通算安打数にはありません。それは長年彼が第一線で活躍してきたことの単なる結果であり付属物です。それをもって谷繁を必要以上に称賛するのは間違った評価であり、谷繁に対して失礼だとさえ思います。

 では谷繁の選手としての価値は何かと言われたら、当然捕手としての出場試合数でしょう。野村克也の持つ記録を目標にしていると常々彼自身が言っているように、長きにわたってレギュラー捕手として出場し続けていること、さらに言えば、その上で常にチームを上位に導いていることが谷繁の一番評価されるべき点です。

 捕手はグランド上の監督です。9人の選手の中で捕手だけが逆を向いて構えていることに意味があります。良い捕手のいるところに強いチームがあるというのが野球界の常識であり、この場合の「良い」捕手とは当然打撃ではなくリードを含めた守りであり、その頭脳であり、サッカーでいうところのキャプテンシーです。

 南海が強かった頃の野村、V9巨人を支えた森、常勝西武の伊東、ヤクルト黄金時代の古田。みな頭脳でチームを支えた選手です。野村や古田は強打の捕手でもありましたから、つい個人記録でわかりやすい打撃成績で評価しがちですが、僕は捕手は監督と同じようにチームの勝利数や優勝回数で評価すべきではないかと考えています。

 谷繁は横浜時代に日本一を経験していますし、中日移籍以降は常にAクラスの成績を残しています。そして大きな怪我をせずに激務の捕手を長年勤めてきました。2000本安打なんて本当にその結果に過ぎません。谷繁は今年最下位に沈むチームのことを誰よりも憂えているし責任も感じていることでしょう。なにせ今季の中日の不振は投手の不振であり、それが一番身に沁みてわかっているのが捕手だからです。

 なんとか最低でも今年Aクラスに入って欲しいと思います。じゃないとせっかく2000本安打を打っても本人も全然喜べないでしょうから。



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