幹事クリタのコーカイ日誌2013

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4月25日 ● ユニクロはブラック企業?

 ユニクロがブラック企業だという話は随分以前から囁かれていましたが、先日の朝日新聞に掲載された柳井正会長兼社長のインタビューはさすがに一読して驚きました。朝日新聞が「本当にユニクロはブラックなのか?」と聞いたら「そんなものは辞めた一部の奴が言ってるだけ」と言い放つ潔さ。挙げ句に「世界同一賃金で年収100万円になるけどしょうがない」だそうです。話が極論すぎます。

 「成長か死か」という話は企業としてはそうかも知れませんが、それを働いている人間に当てはめるのは無茶です。成長できない社員は死んでも良いとは誰も思わないでしょう。しかし朝日新聞の記事を読んでいると柳井社長は本気でそう思っているように感じられてなりません。これではブラック扱いされるのも無理からぬ話です。

 このインタビューがかなり話題になって柳井社長を批判する記事やブログがたくさんネットに出回りました。とりあえず目に付いたところにリンクを貼っておきますが(「ユニクロ社長がブラック企業のグローバル化宣言-世界同一賃金で年収100万・若者使いつぶし仕方ない」「ユニクロ社長の詭弁」)、実のところ朝日新聞の記事だけでは柳井社長の本心がどこにあるのかわからないという気もします。ほんの一週間前に日経ビジネスでも柳井社長にブラック企業かとインタビューしていますが、そこではここまで過激な発言をしていません。「ユニクロには少ない世界で戦えるリーダーを育てるため」に「厳しく育てている」んだと、もう少し穏当な話になっているからです。

 朝日と日経では立ち位置が違います。朝日の方が昔から労働者側に立ち経営者に厳しい見方をしてきましたし、日経は逆に経営者寄りの目線で記事を書きます。だから同じような内容のインタビューをしても、話の持っていきかた、編集の仕方次第で柳井社長がブラック企業の親玉にもなるし、新しいビジネス感覚を持ったリーダーにもなります。

 ただまあ柳井社長の理想はわからなくはないですが、3年以内での離職率が5割という現場の状況を聞いていたら僕はユニクロのような企業では決して働きたくありません。多くの人がそう感じることでしょう。デフレ不況の時代だからこそ、これだけ厳しいことを言っても人は集まりますが、景気が上向いたら「ブラック」扱いされているような会社に誰が入りたいと思うことでしょうか。そういう意味でもアベノミクスが成功して日本経済が早く回復して欲しいですね。その時にユニクロがどうするか見てみたい気がします。



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