幹事クリタのコーカイ日誌2013

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4月16日 ● 三國連太郎逝く。

 三國連太郎が亡くなりました。マスコミでの紹介は「スーさん」。映画『釣りバカ日誌』の鈴木社長役で有名な、ということなんですが、確かに晩年の著名な役はそうかも知れませんが、それが三國連太郎という役者を代表する作品かと言えば、そうではないし、何よりそれでは三國らしさを感じさせません。

 三國と言えば典型的な役者バカとして有名で、役作りのために歯を10本抜いたとか、悪役にのめり込み過ぎて逮捕されそうになったとか、そういう逸話がゴロゴロしていた人です。さらにプライベートでも奔放な女性遍歴を重ねていたし、まさに役者としての狂気を感じさせる「怖い」人でした。決して温厚な「スーさん」ではありません。

 僕にとってはドラマ『赤い運命』で山口百恵の父親役を演じた時の三國が一番印象的でした。伊勢湾台風のせいで取り違えられた赤ん坊。お嬢様ではるはずの百恵が殺人の前科がある三國に育てられ苦労するこのドラマは、数ある「赤い」シリーズの中でももっとも迫力ある、一番見応えのあるドラマでした。それは間違いなく三國の演技の力でした。当時まだ15歳だった僕には百恵ちゃんを苛める三國が憎たらしいだけでしたが、いまなら間違いなく三國の演技に感動していたことでしょう。

 三國と言えば息子の佐藤浩市。佐藤と僕は同じ年なので、結構気になる俳優ですが、この2人が映画『美味しんぼ』で山岡士郎と海原雄山の親子役で共演した時はナイスな配役だと思いましたが、これも三國が佐藤を指名したそうです。当時本当に確執があった2人だけに士郎と雄山はハマリ役でまさに役者バカならでは。

 ちなみに「スーさん」と言えば「ハマちゃん」の西田敏行ということになりますが、西田は先日亡くなった坂口良子の時にもコメントをたくさん出していましたが、今回もまたということで、さぞかし大変なことでしょう。ご冥福をお祈りします。



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