幹事クリタのコーカイ日誌2013

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2月23日 ● 早期退職への憧れ。

 会社の後輩が早期退職するそうです。会社の優遇制度を利用しての退職ですが、彼がいなくなること自体も残念ですが、それよりまだ40代なのになかなか思い切ったなぁと思いました。僕の置かれた状況ではとても現時点での早期退職は無理です。子どもはまだ大学生。住宅ローンは定年後まで残ります。貯えよりも借金の方が多く、しかも基本的にはまだまだ赤字の状況が続くと言うのに、他に稼げる当てもないのに会社を辞められるわけもありません。

 バブル華やかなりし頃、50才、いや45才くらいでリタイヤして悠々自適の生活を夢見ていました。僕はまだ20代でしたから、ただ夢見ていただけですが、当時40代前半だった先輩は実際にその計画を立てていました。国内や海外に投資用マンションを買い、当時流行りの「財テク」で資産を運用して、自分があくせく働かなくても「お金に働いてもらう」んだと力説していました。

 世の中が豊かになれば、高度成長期のように汗水垂らして夜遅くまでしゃかりきになって働かなくてもよくなるんだよ、とその人は僕に教えてくれました。日本は貧乏だった時代を乗り越えて世界一のお金持ちの国になったんだから。これからは欧米のように若いうちにハッピーリタイヤして楽しく人生を生きるんだ、年寄りになるまで働いていたら、時間があっても体力がなくなって遊べないだろ、って。

 なるほど、確かに楽しまないで死ぬのはイヤだなと思いましたし、早期退職って良いなぁとは憧れましたが、本当にそんなにうまくいくのか?と疑問に思っていたことも確かです。お金が働くって、お金は働けないよな、何も生み出さないよな、それなのに価値が増え続けるなんてことがあるのかなと。当時僕たちより上の世代はかなり舞い上がっていたと思いますが、僕たちはまだ幸いなことにあまりお金を持っていなかったので、少し冷静に「財テク」ブームを見ていられたのかも知れません。

 バブル直前の1986年に25才でマンションを買いました。これから不動産が上がるだろうという読みはズバリ当たりました。ただこれは投資用ではありません。結婚したからです。新居を賃貸にするよりも値上がりする前に分譲マンションを買った方が良いだろうというだけでした。さすがに無理して買った感はありましたが。財テクはやらず、もちろん投資用マンションも買わず、こつこつと毎月積み立てで貯金をしました。バブルに乗って儲かることもありませんでしたが、数年後にバブルが弾けても損害はほとんどありませんでした。買ったマンションの価格は急騰して急落しましたが、ずっと住んでいたので関係なかったですし。

 あの頃に45才でのリタイヤを目指して無理に「財テク」しなくて良かったと今でも思います。今でも早期退職は憧れではありますが、宝くじが当たらない限り無理だし、多分当たっても「なかったこと」にして定年まで働くかも知れません。なぜかと言われると説明が難しいのですが、20代に想像していた50代とはかなり違っていて、意外と50代も元気で楽しいからでしょうかね。もちろん状況は刻々と変わるので油断はできませんが、人生を楽しめるかどうかは、ある程度は気の持ちようだなと思いますし。



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