幹事クリタのコーカイ日誌2013

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1月20日 ● 大横綱大鵬。

 「大鵬が死んだ」と聞いて、ちょっとショックを受けました。まだ72才。先にライバルである柏戸が亡くなっていますが、大鵬まで亡くなったとなると、いよいよひとつの時代が終わったなぁという感がします。

 大鵬が象徴していた「時代」というのは、まさに昭和の大相撲全盛期。そして高度成長期。日本が未来を信じ、前に向かってひたすら突き進んでいた時代です。かつて「巨人、大鵬、卵焼き」という言葉があったように、大鵬は子どもが憧れる輝けるあの時代の象徴でした。

 僕も子どもの頃はご多分に漏れず大鵬と長島茂雄が大好きでした。幼稚園から小学校低学年の頃です。強い巨人と強い大鵬は幼心に重なって見えました。ヒーローというのはまさに長島であり大鵬でした。巨人と大鵬は永遠に勝ち続けるのだと信じていました。

 それが僕の中で変化が起きたのは小学校3年の頃です。当時巨人はV9時代の全盛期でしたが、大鵬はすでに晩年。北の富士と玉の海が横綱に昇進し、大鵬に代わる新しい土俵の主役になろうとしていました。僕の贔屓は郷土の誇り、愛知県出身の横綱玉の海に変わっていました。あの頃の大鵬、玉の海、そして北の富士の激闘は今でも強く記憶に残っています。

 引退直前の晩年であっても、大鵬はやはり大きな壁でした。衰えを隠せないながらも、若い横綱の前に立ちふさがる大鵬の強さというのは本当に印象的でした。大鵬は新進気鋭の貴ノ花に負けて引退を決意しますが、いかにも次世代に大相撲を託しての引退という感じで、最後まで大横綱の風格に満ちていました。

 大相撲の歴史に残る大横綱と言えば、双葉山、大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花、朝青龍、白鵬といったところだと思いますが、その中でもやはり実力と風格を兼備していた大鵬が双葉山と並んで別格という気がします。謹んでご冥福をお祈りします。



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