幹事クリタのコーカイ日誌2013

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1月13日 ● 表現と規制。

 AKB48の河西智美の写真集の表紙が白人の男の子が後ろから河西の乳房を手で隠している構図であるために騒ぎになっています。「社会通念上、読者に不愉快な思いを抱かせ、問題があると判断した」そうで、その写真を使った講談社の「ヤングマガジン」は発売を延期、同じ講談社から発行する予定だった河西の写真集も表紙を差し替えた上で刊行するかどうか検討するそう。講談社にとっては大損害となりました。

 この写真が問題だったのはもちろん子どもに乳房を触らせていたからで、児童ポルノの範疇に入るということ。これが逆に女児が成人男性の局部を触っていたら大問題になることは誰でもわかるわけで、男の子が女性の乳房を触る分には問題がないだろうと安易に考えたカメラマン、デザイナー、編集者の認識の甘さが露呈してしまいました。

 そもそもAKB48のやり方というのは、エロを売りにしながらも言い訳ができるように「誤魔化す」のが通例。「ヘビーローテーション」のPVの下着パーティと言い、「ぷっちょ」のCMの口移しと言い、やってることはかなり際どいエロ全開、でも処女性を売りにもしているので、あくまでも成人男性との性交渉を連想させるようなことはしないで、ファンに「言い訳」が立つようにしているわけです。

 今回の写真も「手ブラ」は撮りたい、それも自分の手で隠すのではインパクトがないから後ろから誰かの手で隠すようにしよう、かと言って大人の男性に後ろから乳房を触られているのはAKB的にNG、だったら子どもなら良いんじゃない、それも日本人じゃなく白人ならキレイに見えるし、と言う打ち合わせがあってこうなったんだろうなぁと言うのが透けて見えます。

 そこには恐らく「児童ポルノになる」という発想がなかったのでしょう。素直に自分の手で隠すか、大人の男性がダメなら、いつものように他のメンバーの手で隠せば良かったのです。それでも同性愛を連想させるのでダメだなぁと思ったのでしょうが、児童ポルノは犯罪ですが同性愛は犯罪じゃないのですから、ちょっと誰かが気がつけば良かったのにと思います。

 こういう表現と規制の問題は、我々の仕事でも日常的に意識していることで、常にチェックをしていないと、つい「面白いから」「キレイだから」「カッコいいから」などの表現者の欲求だけで突っ走って痛い目に遭うことになります。今回の問題の写真は芸術的というよりは商売的な理由で男児を使った気もしなくはないですが、いずれにしても社会通念を意識しなかったゆえの失敗でしょう。

 しかしまあ転んでもタダでは起きないのがAKB商法。これだけ話題になっただけでも十分と考えているかも知れません。以前からの主力メンバーとは言え一般には認知度がイマイチだった河西も、これで一気にメジャーです。卒業することだし一躍名前(と顔とオッパイ)が認知されたのは大きいと思います。その上で結局写真集を出せば、当初の見込みよりはるかに話題性が高くて売れることでしょう。そうすれば講談社も今回の損害をカバーできるわけですし、みんな丸く収まりますからね。



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