幹事クリタのコーカイ日誌2012

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12月26日 ● カバーアルバムブーム。

 昨今の日本の音楽界はカバーアルバムが大盛況。と言うか、AKB系とジャニーズ系以外は商売にならないので、仕方なく古いヒット曲をダシにして稼いでいるというようにも思えます。この猫も杓子もカバーアルバムというきっかけを作ったのは、恐らく徳永英明の「VOCALIST」シリーズですが、あれからもう何年も経ったというのに、カバーばかりみんなで歌っていたら誰がオリジナルを歌うのかと思ってしまうほどです。

 もちろん、昔からカバーによるヒット曲というのは数多くありました。それは洋の東西も古今も問いません。ただ最近の日本のカバーに特徴的だと感じるのは、「ちょっと前の有名な曲に乗っかる」ということ。誰もが知っているヒット曲を歌っているのだから、当然耳触りも良いし、「良い曲だな」と思ってもらえるに決まっています。要は歌手の売る力の無さを曲が「カバー」して、曲の力を借りて売っているということです。

 もちろん、それがいけないというわけではありません。繰り返し名曲が歌われるのも悪いことではないし、それで実力はあるのに、曲に恵まれず売れない歌手がブレイクする機会にもなります。しかし、本来カバーというのは隠れた名曲を発掘するという方が王道ではないかと思います。アルバムの中の一曲だったり、カップリング曲だったり、随分古い曲で最近は忘れられてしまったような曲だったり、そういう「良いんだけど、あまり知られていない」曲を、改めて取り上げてスポットを当てるというのが、カバーの醍醐味です。

 例えば80年代の松田聖子のアルバムの中の曲をカバーするとか、70年代のジュリーのカップリング曲をカバーするとかしてくれたら、それは拍手したいと思います。また最近の曲であっても、あまり売れなかったけど良い曲を、売る力のある歌手がカバーしてヒットさせることで、原曲にも注目が集まるというのも良いでしょう。折角のカバーブームなら、そういうカバーの事例をもっと期待したいと思います。昨今のカバーは単なるプロ歌手によるカラオケ大会です。

 こちらのまとめサイトで、最近のカバー曲を原曲と比較していますが、やはり一部を除いてほとんどは原曲の方が良いなと思います。



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