２０１３年冬の民放連続ドラマ展望。恒例の２０１２年の極私的ドラマ大賞はまた後日発表します。

　まずネットで悪評高いフジ系月曜夜９時『ビブリア古書堂の事件手帖』。悪評が高いのはもちろん主人公役の剛力彩芽。原作小説の内向的で人の目を見て話せないという主人公のイメージとあまりにかけ離れている剛力だけに、果たしてどこまで演じ切れることやら。共演にＡＫＩＲＡ、田中圭、鈴木浩介、北川弘美、ジェシー、水野絵梨奈、トリンドル玲奈、内藤理沙、松坂慶子、高橋克実ほか。このキャストでは久々の月９大コケの予感がします。

　同じくミステリー小説が原作なのがＴＢＳ系金曜夜１０時『夜行観覧車』。湊かなえ作品はドラマ化ブームみたいです。出演は鈴木京香、石田ゆり子、宮迫博之、安田章大、杉咲花、田中哲司、夏木マリ、高橋克典ほか。こちらは原作レイプにはならなさそうですが、かと言ってそれほど視聴率が取れるのかはちょっと疑問。

　小説が原作でもヒューマン系なのがＴＢＳ系日曜夜９時『とんび』。重松清のベストセラーを森下佳子脚本で描くということで、ちょっと注目です。主演は内野聖陽と佐藤健が父子役で出演。他に吹石一恵、加藤貴子、常盤貴子、野村宏伸、麻生祐未、柄本明ほか。『ＪＩＮ』色が強いですが、キャストも良いし見てみたいと思います。あまりにヒューマン過ぎると鼻につくかもという心配はありますが。

　もうひとつ、古典小説を原作にしたのがフジ系土曜夜１１時１０分『カラマーゾフの兄弟』。原作はもちろんドストエフスキー。父親殺しの容疑をかけられる３兄弟を市原隼人、斎藤工、林遣都。父親役に吉田鋼太郎。これもミステリーと言えばミステリーですが、原作が偉大な古典過ぎてどうかなぁという感じがします。

　今クールのジャニーズですが、まず日本テレビ系土曜夜９時は『泣くな、はらちゃん』。この枠でいつもハチャメチャなキャラを演じてはまっている長瀬智也がマンガキャラになって現実の女性に恋するということで、多分はまり役です。共演は麻生久美子、丸山隆平、忽那汐里、賀来賢人、菅田将暉、甲本雅裕、奥貫薫、光石研、白石加代子、薬師丸ひろ子ほか。気楽に見られそうで期待してます。

　フジ系火曜夜９時『ラストホープ』。先端医療現場を舞台にした医者もの。定番のネタです。主演に相葉雅紀。彼はあまり医者のイメージじゃないですが。共演に多部未華子。これまた医者という感じではないですけど。他に田辺誠一、小池栄子、北村有起哉、桜庭ななみ、平田満、高嶋政宏、小日向文世ほか。脇を固めるキャストは演技派が多く良い感じなので、主演の踏ん張り次第です。

　職業ドラマとしてはＴＢＳ系木曜夜９時『あぽやん〜走る国際空港』。ＪＡＬパック社員という、思いっきりタイアップ色が前面に出てきている旅行会社の主人公に伊藤淳史。共演は桐谷美玲、山本裕典、貫地谷しほり、柳葉敏郎ほか。企画もキャストもいまいちで力が入っていません。タイアップが取れたからまあ良いか、という臭いがプンプンします。

　職業モノとしては手堅いのがフジ系日曜夜９時『ｄｉｎｎｅｒ』。定番の料理モノ。イタリアンの天才シェフに江口洋介。共演に倉科カナ、松重豊、袴田吉彦、野波麻帆、志賀廣太郎、柴本幸、池津祥子、風間杜夫、八嶋智人、ユースケ・サンタマリア。演出に星護を起用しているだけに、こちらは力が入っています。ただこの手のドラマは今さら新味は出せない気がしますが、どうでしょうか。

　同じように料理人が主人公でも設定が無茶なのがテレビ朝日系金曜夜１１時１５分『信長のシェフ』。マンガ原作だけにかなり大胆な設定。戦国時代にタイムスリップした料理人が信長の元で料理を作るということで、主演に玉森裕太。キスマイは本当によくドラマに出ます。共演で信長役に及川光博、秀吉がゴリ、家康がカンニング竹山隆範、森可成に宇梶剛士。ふざけたドラマの割に結構良いキャストです。他に志田未来、香椎由宇、芦名星ら。深夜枠にしては力の入った共演陣で意外に期待できるかも知れません。

　深夜枠の期待ドラマはテレビ東京系金曜夜０時１２分『まほろ駅前番外地』。原作は三浦しをん。映画化された「まほろ駅前多田便利軒」の続編のドラマ化です。主演の便利屋に瑛太、松田龍平。共演に大森南朋、岸部一徳、松尾スズキ、高良健吾、三浦雅巳ほか。最近のテレ東ドラマはなかなかやりますから、これも注目です。

　瑛太はもうひとつ主演ドラマがあります。フジ系木曜夜１０時『最高の離婚』。３０代の２組の男女が結婚と離婚で揺れるラブコメディ。他に尾野真千子、綾野剛、真木よう子、八千草薫ら。脚本が坂元裕二なので瑛太が出演を即決したそうですが、ドラマ２本同時主演って、本当に瑛太は働き者です。企画としては３０代の女性に受けそうですから、意外と話題になるかも知れません。

　同じく３０代の女性向けドラマではフジ系火曜夜１０時『サキ』。『美しい隣人』のスタッフで作るサスペンス。主演の悪女に再び仲間由紀恵。共演に三浦翔平、内田有紀、庄野崎謙、鎌苅健太、萩原聖人、石黒英雄、高嶋政伸ほか。看護師としてターゲットの男たちを破滅に追い込んでいく悪女を仲間が演じるということで、これもはまる人ははまりそうです。

　３０代女性をターゲットにしたコメディが日本テレビ系水曜夜１０時『シェアハウスの恋人』。こちらは３０才のＯＬが男性２人と三角関係になる独身ＯＬの夢のような物語。主演に水川あさみ、共演に大泉洋、谷原章介、中島裕翔、川口春奈、君野夢真、もたいまさこほか。５０代男性の僕には興味がわきませんが、キャストは悪くありません。

　これだけいろいろ注目ドラマはありますが、これだけは見たいというドラマは残念ながら見当たりません。強いて言えば『とんび』『泣くな、はらちゃん』『ｄｉｎｎｅｒ』あたりでしょうか。いや、意外と深夜枠の『信長のシェフ』『まほろ駅前番外地』の方が期待かも。