十八代中村勘三郎が亡くなりました。５７才。歌舞伎役者というのは年を取ってからがまた味が出るものですから、まだこれからと言って良いでしょう。古今亭志ん朝が亡くなった時と同じ「まだこれから」です。

　Ｊリーグのゴン中山が引退を表明しました。４５才。こちらは本当によくここまで頑張ったと思います。サッカー選手としてはとっくにピークを過ぎてもなお現役で戦い続ける姿勢は、三浦カズと並んでまさにＪリーグの鏡。この２人が草創期から２０年のＪリーグを支え続けてきたと言って良いでしょう。

　５１才の僕にとって、勘三郎もゴンも同世代という感覚があります。勘三郎とゴンは一回り違いますが、僕はちょうどその真ん中なので。若い頃から彼らをずっと見続けてきた、いや一緒に年齢を重ねながら戦ってきたと思っています。そういう人たちが少しずつ戦場から去っていきます。寂しいという気持ちとともに、楽になれて羨ましいなという気持ちもちょっとあります。ほんのちょっとだけですけどね。