幹事クリタのコーカイ日誌2012

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11月22日 ● 赤ん坊は泣くもの。

 マンガ家のさかもと未明がJALに乗った折に泣きわめく1歳児に腹を立てて、着陸準備中の機内を走って騒ぎ、母親に切れて説教し、着陸後もJALにクレームをつけたというエッセイを自ら発表して非難を浴びています(こちら)。

 確かに機内での子どもの泣き声が癇に障るのは理解できます。しかし彼女の取った行動はあまりにも子どもじみていて、真っ当な大人のやることではありません。僕も飛行機に乗っていて近くで赤ん坊に泣かれて寝られなかったこともあるし、逆に子どもを連れて旅行に行った時に機内でずっと泣かれた経験もあります。しかも、さかもと未明のように昼間の国内線じゃありません。オーストラリアからの帰りの満員の機内。夜のフライトで寝静まっている中です。ずっと息子を抱いてあやしながら機内をひたすら歩いていました。止まると大泣きするので、なるべく迷惑がかからないように静かに歩くしかありません。正直地獄です。自分だって旅行で疲れていて眠いのに、1歳児を抱いてあやしながら機内を何時間も歩き回るなんて。

 ただ誰もその時はさかもと未明のように怒ってきた人はいませんでしたけどね。むしろ同情の眼差しを感じ気分的には助かりました。僕は社会的に成熟するというのはそういうものだと思います。赤ん坊は泣くものだし、それをコントロールすることは無理。みんな誰だって最初は赤ん坊だったのだから、赤ん坊に泣くなというのは天に唾するような行為です。無理なこと、避けようもない不運に遭遇したら、お互いに気遣い合い労りあうのが社会でのマナーでしょう。

 どうしても赤ん坊の泣き声が我慢できないのなら、公共交通機関は利用しないことです。富裕層のように自家用機でも用意して移動すれば済むこと。快適な移動を提供しろとJALに要求したところで、所詮は庶民と同じ飛行機を利用している以上、その「快適さ」には限界があることを知るべきです。わがままを言ってはいけません。

 ただ公共交通機関は赤ん坊を連れて乗るのは仕方ないと思いますが、劇場やテニス観戦のように「静寂」をマナーとして求められるところに赤ん坊を連れて行くのはおかしいと思います。それはファミレスなら子連れでもOKだけど、高級レストランではNGなのと同じことで、最初から守るべきマナーが決められているところに、自分が行きたいから連れていくというのは、逆にそれもまたわがままで子どもじみた行為です。

 どちらもわがままであり、しかもそれは同じベクトルのものです。「自分」のことしか見えていない、他人の痛みを想像することができない人のわがまま。こういうわがままを言う人は、いつでもどこでも自分勝手なことを言うので要注意人物だと僕は思っています。幹事を長年していると、本当に一定の割合でいるんですよ、こういうタイプ。やれやれです。



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