幹事クリタのコーカイ日誌2012

[ 前日翌日最新今月 ]


 
11月21日 ● 卑怯な勝利。

 こちらの「野球の美談とはなにか」にあるように、今年巨人の長野と坂本が「仲良く」最多安打のタイトルを取りました。これはある種の片八百長ですが、それを美談として語るような風土がプロ野球界およびスポーツマスコミにあるのは極めて残念なことだと僕は思います。これまでにもタイトル争いのために敬遠合戦したりズル休みしたりということがありましたが、「フェアプレー精神」とか「敢闘精神」という言葉を彼らはどこに置き忘れてきたのでしょう?

 そして総選挙に向けて政治家たちが右往左往していますが、こちらも見苦しいような集合離散劇があちらこちらで繰り広げられています。公約として掲げていたことを取り下げたり、一夜にして連帯を反古にしたり、かつての仲間のところへ刺客となって送り込まれたり、任期半ばでその職を放り出したりというような、とにかく「選挙に勝てれば何でもあり」の見苦しさ。「勝ち馬に乗る」ことばかりにとらわれて政治家としての「志」とか「理想」という言葉を彼らはどこに置き忘れてきたのでしょう?

 プロ野球界と政界に共通しているのは「内向きの論理」だけで動いていること。どちらも「勝ってナンボ」の世界なのはわかりますが、本当の目的は両方とも「勝つ」ことではありません。お客さんもしくは国民を楽しませたり、幸せにすることが目的です。そのために大事なのは勝ち方であり、そこをみんな見ているのです。いくら勝っても勝ち方に問題があればお客さんは呆れて逃げていきます。誰のために野球をやり、誰のために政治をしているのか、改めて原点に還って考え直してもらいたいところです。

 フェアに正々堂々と戦って勝った者のみが本当に支持を得られると思います。卑怯な勝者は、かりそめの称賛を得ても、見ていた人たちにはずっとその「卑怯さ」が記憶として残っていくことを、あまり甘く見ない方が良いと思います。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」