幹事クリタのコーカイ日誌2012

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11月7日 ● 物足りない「情熱大陸」錦織圭。

 先日のTBS「情熱大陸」は錦織圭でした。事前にネットのテニス好きの間では話題になっていたので、しっかり予約録画して見たのですが、残念ながらコアなテニスファンとしては物足りない内容でした。とにかく話が表面をなぞっているだけ。錦織が年初から順位を上げてきたこと、でも故障と戦っていること、その故障を乗り越えてオリンピックでベスト8、楽天オープンで優勝したこと、強くなったのは「メンタル」と本人は思っていること。

 これが1年近くかけて取材した結果だとしたら、あまりにも底が浅すぎます。スポーツニュースの10分の特集程度の内容ですし、テニスファンならみんな知っていることばかりです。もっともっと掘り下げていくことができたでしょうし、錦織にあれだけインタビューを重ねているのだから、もっといろいろ聞き出して欲しかったところです。

 番組では石橋貴明がインタビューアーとして登場しました。一応ディレクター・石橋という位置づけらしいのですが、もしそれが本当ならこの薄い内容でも仕方ありません。石橋がテニスに興味を持ち始めたのはごく最近のことですから、まだプレー歴も観戦歴も浅く、初心者向けの内容になってしまったのも無理からぬこと。あまり野球に詳しくない女子アナが落合やイチローに話を聞いているようなものです。

 しかし「ディレクター石橋」は番組の構成上の話で、本当は本来のきちんとしたディレクターがいるわけですから、もうちょっとテニス好きを満足させるようなところまで掘り下げて取材をするべきでしょう。僕なら聞きたいことはいくらでもあります。故障を重ねる原因と今後の対策について、オリンピックでの活躍とダブルスでフェデラーと対戦した時の感想、それも含めて現在の4強についての印象、これまで日本で活躍できなかったのに今年の楽天オープンで勝てた理由について、決勝で当たったラオニッチを始め4強を追う同世代のライバルについて、ワールドグループから陥落したデ杯について、今後錦織に続くべき日本男子についてなど。

 また強くなったのは「メンタル」の一言で終わってしまいましたが、技術的には弱点だったサービスの改良も大きいと思うし、また戦術的にも攻めと守りのバランスが良くなったこともありますが、そのあたりについてももっと聞いてみて欲しかったです。もちろんメンタルが強くなったのには何か理由があるのかも。

 要は番組は1年間の結果をただ追っているだけの内容になっていたのですが、それは誰でも知っていることで、そうじゃなくて、もっと本人に聞かなければわからないことを突っ込んで聞いて欲しかったということに尽きます。これは誰が悪いのか?ディレクターか、石橋貴明か、それとも石橋をキャスティングしたプロデューサーか?テニスに詳しいスタッフがいなかったのか?そもそも錦織を取り上げるならやっぱり松岡修造への取材も欠かせないし、仲の良い杉山愛がインタビューアーでも良かったのに。TBSは石橋に借りでもあるのか?



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