幹事クリタのコーカイ日誌2012

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10月31日 ● 日本の5大マンガ家。

 ネット上で「5大天才漫画家」を考えるというのが話題になっていました。40数年間にわたってマンガを読み続けてきた僕にとっても、これは興味深い話題です。まあ「天才」という括りはわかりにくいので単純に「日本の5大マンガ家」をちょっと考えてみました。

 どんなマンガ家が「大マンガ家」なのか?(1)質と量(2)新しさ(3)影響力(4)熱狂的支持(5)売れた 以上の条件をクリアしていることが基本です。質の高い作品を長年にわたって大量に生み出したことが何と言っても第一。そしてマンガとしての新しさがあり、多くのフォロワーを生み、マニア的なファンがいて、なおかつ一般的なファンにも売れてアニメ化された作品も多い、というのがオールマイティな「大マンガ家」像です。

 かなり厳しい条件ですが、これくらい縛らないと日本の豊饒なマンガ界では、候補に上がるマンガ家が多すぎて絞り切れません。もちろん個人的な好みが入ってきてしまいますが、一応5つの条件をクリアしていることで、ある程度の客観性も持ちえると思います。

 候補の筆頭は手塚治虫。論ずるまでもなく日本マンガ界の礎を作った巨人です。そして、手塚の後を追いかけた「トキワ荘」組にも候補者がたくさんいます。特に石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄は有力な候補です。また同世代の巨匠として水木しげる、横山光輝、さいとうたかを、ちばてつや、永井豪、松本零士らも十分に資格がありそうです。

 少し時代が下ると、少女マンガの萩尾望都、大島弓子、竹宮恵子ら「花の24年組」も加わってきます。さらに山岸涼子、大和和紀、高橋留美子、あだち充、いしいひさいち、江口寿史、鳥山明、大友克洋、さくらももこ。そして吉田秋生、浦沢直樹、井上雄彦、冨樫義博ら現役バリバリ世代も候補としては十分です。それより新しい世代は作品の質量という意味でも次代への影響力という意味でもまだ様子見かなと思います。

 以上の候補者を細かく項目ごとに採点して結論を出すのも楽しそうですが、それをここでやるとマニアックになり過ぎるので省略し、僕が考える「5大マンガ家」は、手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子不二雄までは確定。まさにみな国民的大マンガ家です。残る2枠は萩尾望都、鳥山明かなぁと思いましたが、萩尾は(1)〜(4)までの条件は完璧にクリアなんですが、「売れた」ことについてはどうしても他のマンガ家に比べて見劣りします。また鳥山は作品数が不足していることと、絵は間違いなく素晴らしいのですが、ストーリーテラーとしては少々凡庸なのが残念です。なので代わりに横山光輝か、ちばてつやか、高橋留美子あたりを入れる方が良いかもと迷ってしまいました。

 で、迷いだすと、じゃあやっぱり赤塚の革命的なギャグとか、松本のSFアニメへの影響とか、永井のロボットデザインとか、あだちの間を生かした繊細な心理描写とか、いしいの4コマを変えた革新性とか、どれもこれも「マンガ史」に残るものだけに入れたくなってきて困ってしまいます。と言うことで、やっぱり決められないなぁというのが正直なところ。というか、そもそも5人を選ぶのが中途半端。こういう時は3人か10人でしょ。10人なら手塚、石ノ森、藤子、赤塚、ちば、松本、萩尾、高橋、あだち、いしい、鳥山…あれ、もう「11人いる」なぁ。

 もっともこの手の話題は結論なんか出せないし出なくても良いと思います。所詮遊びです。あくまでも個人的な思い入れであれこれ言うのが楽しいのですから。



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