幹事クリタのコーカイ日誌2012

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10月21日 ● 誤認逮捕より怖い自白の強要。

 ウィルスによって他人のPCを遠隔操作して爆破予告した事件において、警察は誤認逮捕を認めて謝罪をしたそうです。もちろん誤認逮捕は良くありませんが、それ以上に怖いのは冤罪なのに犯行を認めさせて処分していたこと。つまりよくあるテレビドラマのような感じで、無実の人を無理矢理に自白させていることが現実に警察内部で行われているということです。

 警察は容疑者を逮捕してしまえば、後は何とでもなると思っているんでしょうね。そうやって検挙率を上げてきたという話は聞いていましたが、これだけまとまってそういう事例があぶり出されたということを考えると、実に恐ろしいことだと思います。

 今回のケースでは、ある程度の年齢に達している人は最後まで否認していますが、若い人は供述を変えています。19才の大学生なんてまだ子どもです。それが警察から強要されたら嘘の自白くらいしてしまうでしょう。なにせ相手は警察ですから、もう世界のどこにも自分を助けてくれる人間はいないと思っても無理はありません。

 逮捕されただけでも社会的なダメージは絶大です。結局は嫌疑不十分で釈放されても、すでに一度逮捕されたという悪いイメージは簡単には消えません。ましてや自白によって起訴されて有罪が確定したらもう取り返しがつきません。学生なら退学、会社員なら免職されてしまうでしょう。もちろん友達やご近所からも距離を置かれるだろうし、中には家族からさえ見離されることもあり得ます。まっとうな人生を警察・検察のせいでぶち壊されてしまうのです。

 今回のことで取り調べの可視化などが進むと思いますが、そういったシステムもさりながら、警察の意識改革をしっかり行ってもらわないと、今後も同じような自白の強要による冤罪事件は続くことでしょう。今回はたまたま真犯人が名乗り出てくれたから良かったものの、普通はそういう幸運はありません。

 もし自分が無実の罪で逮捕され、何日も拘留されて体力的・精神的な圧迫を受けるような厳しい取り調べをされても最後まで否認し続ける気力体力があるかどうか。僕は今ならまだ頑張れる気がしますが、もう少し年を取って衰えてきたら自信はありません。



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