週刊朝日のルポ作家佐野眞一と取材班による「ハシシタ　救世主か愚衆の王か　橋下徹のＤＮＡをさかのぼり本性をあぶり出す」という記事が話題を呼んでいます。僕も読みましたが、これは本当に酷いと思いました。橋下の政策については一切論じず、橋下の出自を調べあげて、それを元に叩くというのはいかにもゲスなやり口です。橋下の実父（しかも育ててはいないそう）は部落出身者であり、また親戚に犯罪者がいることを今さらながら取り上げて、だから橋下はダメだ…というのでは、朝日新聞が標榜する人権も何もあったものではありません。タイトルもいかにも悪意がありすぎ。

　橋下を好きか嫌いか、評価するかしないかとは全然別に、こういう親や親戚のことで人をバッシングするというのは下の下です。普通の感覚でも「子どもじゃないんだから親は関係ないだろう」と思いますし、もちろん同和差別です。部落解放同盟は週刊朝日並びに佐野眞一に対してどう動くのか、また朝日新聞社はもとより、他のマスコミもこの記事に対してどう反応するのか注目したいと思います。

　ただネット界ではこれは逆に最近支持率が低下している橋下を援護する週刊朝日の「炎上マーケティング」ではないかと言われています。確かにあまりに酷すぎる記事だけに、橋下は同情を買い注目を集め支持率回復につながりそうです。橋下にとっては「おいしい」「ありがたい」記事です。出来レースとするには週刊朝日にとってリスクが大きすぎる気もしますが、これだけ話題になったのだからそれだけで編集長は「勝ち」と思っているかも。部数が激落している昨今、とにかく何でも良いから話題作りをして売れればＯＫと考えているのでしょう。週刊誌なんてそんなもんだと思っているのが透けて見えるようなやり方です。

　橋下も週刊朝日も損をしないとなったら、評判を落とすのは佐野眞一だけですか。まあ今さら良いのかな、大家だから。