幹事クリタのコーカイ日誌2012

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10月10日 ● ノーベル賞がもう覚えきれない。

 山中伸弥京大教授がノーベル医学生理学賞を受賞しました。今までのノーベル賞というと、毎回「誰?」という人ばかりで、今回のように数年前から話題になって「取るんじゃないのか」と言われていた人が本当に受賞するというのは珍しく、それだけ山中教授の業績が画期的で誰もが納得するものだったということなのでしょう。

 しかも彼のiPS細胞の研究というのは、最近発表されたものであり、まだ研究が続行中の「現役」。ご本人もまだ50才と若く、これまでのすでに確定した過去の業績に対して贈られたものではないというのも、彼の研究の可能性の大きさを示していると思われます。実に喜ばしくまた日本人として誇りにも感じられる受賞です。

 それにしても2000年代に入ってからの日本のノーベル賞ラッシュはすごいものがあります。僕が幼い頃はノーベル賞と言えば湯川秀樹、朝永振一郎であり、物心ついてから1968年川端康成の文学賞、1973年江崎玲於奈の物理学賞、1974年佐藤栄作の平和賞、1981年福井謙一の化学賞と続きましたが、常に数年に一回の大トピックでした。子どもの頃に総理大臣、オリンピックの金メダリスト、そしてノーベル賞受賞者というのが「成功した人」のイメージでしたが、中でもノーベル賞は日本人受賞者の少なさゆえに総理大臣よりもすごいと思っていました。

 その後も1987年利根川進、1994年大江健三郎、2000年白川英樹と数年に1度のペースは変わらなかったのですが、白川以降一気に様相が変わります。翌2001年に野依良治、2002年には小柴昌俊と田中耕一のW受賞、さらに2008年には同時に3人、2010年に2人など、2000年から2012年までの13年間でなんと10人。数年に一度だから覚えていられたのに、もう全部思い出すのも大変なことになってしまいました。

 これは日本の科学技術の輝かしい栄光であることに間違いなく、金メダルを取ることも素晴らしいですが、人類の科学技術の発展に日本が寄与しているという意味ではより国の威信を向上させていると言って良いでしょう。今後もこのペースが続くことを期待しますし、中国や韓国にノーベル賞が狙われて妙ないちゃもんをつけられることがないように願いたいです。

 ところで余談ですが、いつもノーベル賞受賞者が出るたびに「うちの大学出身」と各大学が大騒ぎします。京大は東大よりもノーベル賞が多いというのが何より自慢ですし、名大も北大も東北大も東工大も、それぞれ母校のノーベル賞受賞者を「看板」だと思っていることでしょう。山中教授は神戸大医学部卒。博士号を取ったのは大阪市立大、カリフォルニア大サンフランシスコ校での研究員を経て奈良先端科学技術大学院教授、そして京大教授としてiPS細胞に関する論文を発表しました。さてこの場合のカウントは神戸大、それとも大阪市大?やっぱり京大?ま、関係ない人間にはどうでもいいことなんですが。



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