幹事クリタのコーカイ日誌2012

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9月7日 ● ロディックの引退。

 いま行われている全米オープンでアメリカのアンディ・ロディックが引退しました。4回戦のデルポトロ戦で惜敗したのがラストマッチになりました。もう少し上位まで進出して花道を飾って欲しかった、できたら同じアメリカのサンプラスのように全米で優勝して引退という華々しいラストさえも夢想しましたが、さすがにそんな奇跡は起きませんでした。もちろん現在の実力ではデルポトロの方が上でしょうけど、こういう時に神がかり的な力を発揮することができる選手でしたから、ちょっと期待したのですが。

 ロディックはヒューイット、サフィン、フェレーロ、フェデラーらとともに「ニューボールズ世代」と呼ばれていました。今から10年ほど前に一気に出てきた若い才能溢れる各国の選手たちの中でも特にスター性のある目立つ選手でした。その前の世代のアメリカンヒーローだったサンプラスを彷彿とさせる豪快なサービスと強打のストローク。2003年に全米を初制覇した時には、いよいよこれからロディックの時代が来るのかと思わせました。

 しかしその翌年からフェデラーが本格化。一気にその才能を目覚めさせて無敵のチャンピオンへと成長してしまいました。ロディックはフェデラーのライバルとして持ち前のビッグサーブで何度も立ち向かいましたが、その後4度もグランドスラム決勝戦でフェデラーに敗れてしまい、ついに最初のタイトルが唯一のタイトルとなってしまいました。フェデラーと同世代だった悲劇ですが、その実力は十分過去のチャンピオンたちと渡り合えるものだったと思います。

 ロディックの引退で、アメリカはついに男子のグランドスラムシングルスのタイトルホルダーが現役からいなくなってしまいました。かつてあれほどのテニス王国を誇っていたアメリカが、ここまで凋落することになろうとは。コナーズ、マッケンロー、クーリエ、アガシ、サンプラス、ロディックとつないできた糸が切れたアメリカ。現在イズナー、フィッシュ、クエリーらがまだトップ50にいるとは言え、グランドスラムで勝てそうな選手は見当たりません。

 いまグランドスラムを開催する4ヶ国がどこも自国のチャンピオンを出せないで苦しんでいますが、マレーのいるイギリスやツォンガのいるフランスに比べても、アメリカは可能性が低いです。まあオーストラリアもヒューイット以降さっぱりですから同じようなものですが。錦織がいる日本の方がよほど期待が持てます。アメリカの再生がなるのか、若い世代に注目です。



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