幹事クリタのコーカイ日誌2012 |
8月20日 ● 祖父の写真。 昨日の日曜日は昨年夏に亡くなった義父の一周忌。滞りなく終わったところで、今度は実家の母のところにも顔を出しました。先日頼まれていた同窓会の案内状を届けるついでにお盆の墓参りに行くためです。墓参りから戻って実家でひと休みしているところで、母のアルバムを娘と一緒に見ました。僕の母は年寄りのくせに昔話を全然しません。いつも明日のことを考えているウルトラポジティプな年寄りなのです。 しかし、やはり祖母たるもの、少しは孫に昔話を聞かせてやってくれないと物事が伝承していきません。なのでアルバムを娘に見せてやってくれと僕から頼んで見せてもらいました。娘は初めて見る古い写真にかなりテンションが上がっていました。母は戦前は地主の娘で裕福でしたし、戦後農地改革で没落してからも流行りモノが大好きなミーハー娘だったので、いろいろ遊びに行ってるしで、アルバムを見ていても戦争前後の日本の流行や風俗がわかって面白いのです。 そんなアルバムの中に母の父、つまり僕の祖父が浜辺で立っている一枚の写真がありました。写真は僕が生まれて間もない頃だそうなので、恐らく50年ほど前、祖父がまだ50代後半だと思います。僕の記憶にある祖父よりも少し若いのですが、娘は「じいちゃん、かっけぇ!」と興奮してその写真を複写していました。 確かに渋いし貫禄はあるし、写真としても構図が決まっていて、まるで古い日本映画のワンシーンのようです。いまの50代後半でこれだけの渋みはなかなか出せません。自分ももう数年で写真の中の祖父の年齢になりますが、とても追いつける気がしません。これぞ明治人の矜持という感じがします。ちなみに祖父は1905年生まれ。日露戦争の日本海海戦の年です。サルトルやヘンリー・フォンダ、クリスチャン・ディオール、福田赳夫、水谷八重子らと同い年です。なるほど、いかにも背筋が伸びている感じがします。 |