幹事クリタのコーカイ日誌2012

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8月11日 ● 女子は逞しく、男子は美しく。

 今回のロンドン五輪日本代表選手たちで感じるのは、女子選手の逞しさ。金メダル5個のうち4個が女子のしかも格闘技。それだけでももちろん「逞しさ」を感じますが、それ以上に戦うこと、勝つことに対する貪欲さとひたむきさ、したたかさを女子選手たちが強く発していると思います。

 それは柔道女子やレスリング女子だけではなく、なでしこしかり、バドミントン女子の「フジカキ」しかり、卓球女子しかり、バレーボール女子もアーチェリー女子もそうでした。勝つための意思の強さが戦前の予想を上回る結果を残させたのではないかと思います。だから見ていても女子競技の方がずっとワクワクしたし面白かったという印象です。

 対して日本男子は「美しさ」にこだわっていたように思います。唯一男子で金メダルを獲得した内村航平の演技の美しさは世界一でした。日本男子体操は技の難易度よりも演技の美しさで勝負していました。サッカー男子は銅メダルを逃しましたが、永井が韓国戦後に「蹴るだけのサッカーに負けた」とコメントしていたように、こちらも力強いサッカーよりも美しいパス回しによるサッカーこだわっていたように感じます。

 柔道男子はその美しさに殉じてしまいました。日本の柔道と国際柔道のズレはかなり大きくなっていて、勝ちにこだわるなら、もはや日本柔道の美学を捨てなければならないところまできているように思われます。ただやはり美しい一本勝ちを目指す日本柔道の精神を守って欲しいという思いも強いので、このあたりの判断は悩ましいところです。

 もちろん全ての競技、全ての選手について、女子は逞しく、男子は美しくであったということは言えません。競泳は男女とも逞しさと美しさが噛み合っていました。ボクシング男子はまだ決勝戦が残っています。ただ、どの競技の選手もみな全力をもって勝ちにいったと思いますが、日本選手全体の傾向として、より現実的に考えて、したたかに勝ちにいくこだわりを持って臨んだのが女子であったような気はします。リアリストの女性とロマンチストの男性という類型通りではありますが。



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