幹事クリタのコーカイ日誌2012

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8月1日 ● 2位通過の難しさ。

 僕たちが出るようなテニスの草トーナメントでよくある試合形式として、最初に3〜5組くらいでリーグ戦を行い、その後に順位別トーナメントというものがあります。単純にトーナメント形式だと試合数が少なくなってしまうので、なるべく参加者にたくさん試合をしてもらうためと、ドロー運が悪いとレベル差があって全然試合にならないので、なるべく同じレベルで楽しんでもらえるようにということから採用されているのだと思います。

 このやり方は楽しいのですが、時々あるのがトーナメント戦の組み合わせを意識してリーグ戦の順位を調整したくなること。A組の1位になると次はB組の2位と当たるけどB組は1位も2位も強そう。逆にA組2位なら次はH組の1位だけどH組はドングリの背比べだから戦いやすい、なんて計算をするわけです。もしくは上位トーナメントでは1回戦負けしそうだから2位ではなく3位になって下位トーナメントに回って賞品狙いとか。

 ただわざと負けるというのは意外に難しいのです。相手が明らかに強ければ関係ないですが、はるかに弱い場合は、いかにも負けようとしている感じになってしまうのでできません。同じくらいのレベルなら簡単そうですが、今度は負けた後に気持ちを立て直すのが難しいのです。何となくしっくりこないままにトーナメント戦に入ってあっさり負けてしまったりします。やはり試合では常に勝とうと努力していないとダメです。

 サッカーなでしこジャパンは格下の南アフリカに引き分けて2位でグループリーグを通過しました。1位通過だと会場を移動して強豪のアメリカかフランスと対戦になりますが、2位通過なら会場も変わらず相手も与しやすくなります。戦略的には2位通過の方がずっとメダルを狙う上で有利です。

 ただ心配なのは敢えて勝ちを狙いにいかなかった場合、選手たちのメンタルに悪い影響が出ないかということ。せっかく燃え上がっていた火を消してしまうと、もう一度再点火するのは大変です。南アフリカ戦では主力をごっそり先発から外してサブ主体で臨みました。なるべく多くの選手をピッチに立たせておきたいという佐々木監督の意図はよくわかりますが、これが「勝ちにいかなかった」という風に選手がとらえていたら、どうしてもモチベーションは下がってしまったことでしょう。

 テニスのような個人種目でさえ気持ちを立て直すのが大変なのに、サッカーのような大人数で戦うチームスポーツではチームの意思統一はとても難しいものがあります。特に今回は目標がメダル獲得というよりも金メダルです。優勝が目標なんですから、どこと対戦したって全て勝つだけ、というシンプルな考え方のほうが良かったのではないかとも思います。決勝トーナメントに向けて全員が同じ方向をしっかり見据えることができるように、佐々木監督の手腕が問われるところです。



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