うちの娘はトラキチ、阪神タイガースのファンです。最近はその熱狂ぶりに拍車がかかってきて、毎日阪神戦の中継をテレビの前にかじりついて見ているのですが、その時には必ず平野のレプリカユニフォームを来てバットを叩きながらの応援です。

　その娘が「桧山が打っているのを見たことがない」と言い出しました。阪神の代打の切り札、ベテラン桧山は今年もよく打っていますが、娘が見ている時に限って凡打を繰り返しているそうです。だったら桧山が出てきたらテレビを消したら？見てるから打たないんだよと言うと、それじゃあ応援ができないからダメ、ということでした。

　ところがやはり気になったのか、先日桧山が出てきた時に、娘はテレビを消す勇気こそなかったのものの、一応目を閉じてテレビに背を向けてみたそうです。そうしたら見事に桧山がタイムリーを放ち、さらにそれが口火となって阪神が勝利しました。娘は「複雑な心境」だけど勝って良かったとは思っているようでした。

　そして昨日、阪神は「ハマの番長」三浦大輔にノーヒットノーランに抑え込まれていました。そこで出てきたのが桧山。娘はまた背を向けて目を閉じて音だけ聞いていたそうです。そうしたら何と桧山がヒット。阪神の初安打で三浦のノーヒットノーランを打ち砕いたのです。しかもそこからチャンスを広げた阪神は１点をもぎ取り三浦の完封さえ阻みました。

　もう娘にとってはこれで桧山の打席は見ることができないこと確定です。それで桧山が打って阪神が勝てばそれくらい良いじゃん、と思うのですが、娘は「一度オンタイムで桧山が打つところを見てみたい」と言っています。すれ違いは哀しいものです。