土曜日まで寒くて寒くて、いつになったら春になるんだぁと嘆いていたら、昨日の日曜日はいきなり春満開。気温が上がって一気に春らしくなりました。これまで遠慮していた桜も一斉に開いて、どこもかしこも桜だらけ。日本の春が来たなぁと気持ちも浮き浮きしてきます。

　もっとも僕は毎年、花見というほどの花見はしません。桜並木のある道をクルマで通り抜けたり、ちょっと暇な時に桜の名所を少し遠目に眺めたりするくらいで、桜の木の下にシートを敷いてお弁当を広げてビールを飲む、という伝統的な花見はこれまで51回の春のうち片手で数えるほどしかしたことがありません。

　僕にとって一番の花見は家から駅まで向かう途中にある大学の門のところに咲く桜。今の街に引っ越してきて以来26年、毎年この季節に、道まで張り出して咲いている桜の大木を通勤途中に眺めています。「ああ、今年も桜が咲いたな」と思うのもこの桜ですし、「あと何回この桜が見られるんだろう？」と人生の行く末に思いを馳せるのもこの桜。じっくり下から眺めるわけでもなく、いつも急ぎ足で花の下を通り過ぎるだけなのですが、必ず通り過ぎながらも桜を見上げています。

　夜桜も悪くはありませんが、やはり春の青空を背景に咲く白い桜を見上げるのが、僕にとって最高の花見です。