ちょっと書くタイミングを逃していたのですが、ＴＢＳが上戸彩主演で金子みすゞの生涯をドラマ化するそうです。タイトルもずばり「こだまでしょうか」。１年前の震災の時に話題になったＡＣジャパンのＣＭで金子が再評価されたから、ということだそうですが、はてさて、そんなにあのＣＭは話題になっていたのでしょうか？

　と書くと、関東に住んでいる人なら「あんなによく見たＣＭなのに何を言ってるんだ？」と思うかも知れません。あの頃、イヤというほど耳にしたじゃないか、と。確かに素晴らしい詩を使った良いＣＭでしたが、残念ながらあのＡＣのＣＭは関東ローカルなのです。だから関東地方の人は「ポポポポーン」で印象的な「あいさつの魔法」と並んで「こだまでしょうか」も印象深いはずですが、関東以外の人は「こだま？そんなＣＭやってた？」となってしまうのです。

　ＡＣのＣＭは全国キャンペーンと地域キャンペーン、支援キャンペーンの３種類があります。「ポポポポーン」は全国ですが「こだま」は東京の地域キャンペーンでしたから、基本的には他の地域では流れていません。ただ、実際に全く流れていなかったかどうかは正直わかりません。ＡＣのＣＭは各局が自主判断で流していますから、ＡＣも放送実態を把握していないし、あの震災の混乱の中では東京のキー局が全国ネットの番組のＣＭに地域キャンペーンのＣＭを流してしまったこともあっただろうと推測されます。

　ただそれにしても関東以外ではそれほど多くは流されてはいなかったはずですし、実際名古屋でもあまり見た記憶がありません。だからＴＢＳが「こだまでしょうか」というタイトルでスペシャルドラマを作っても、関東以外の人にはそれほどピンとこない人も多いはずだと思います。

　いくら東京在住のテレビマンだからと言って、そんな基本的なことも知らずにドラマを企画したとは思えませんが、上記の記事中にも「日本中を癒した」とあるので、きっと全国で放送されたＣＭだと勘違いしている可能性は大です。まあ東京のマスコミは東京以外のことにあまり興味がありませんから、地方のことなどどうでも良いのでしょう。