幹事クリタのコーカイ日誌2012

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1月23日 ● 伊達と錦織のドリームペア快勝。

 連日のテニス観戦日記となっていますがご容赦ください。なにせこれほどまでワクワクするシーズンはテニス観戦歴30ウン年にして初めてかも。昨日の全豪ハイライトは何と言っても伊達と錦織が組んだミックスダブルス1回戦でした。2人ともグランドスラムのミックスは初出場。今年はロンドン五輪でミックスダブルスが正式種目に採用されたので、各国の有力選手がにわかにミックスに色めき立っています。スイスのフェデラーは引退したヒンギスに誘いをかけて断られてしまいましたが、アメリカのロディックはセレナ・ウィリアムズと組んで、今回の全豪にもエントリーをしていました(結局ロディックの故障で欠場)。

 伊達と錦織が今回ミックスのペアを組んだのも五輪を視野に入れてのことでしょうが、お陰でファンとしてはドリームペアの遊びではない真剣勝負を見ることができました。そもそもWOWOWはシングルス中心で男子ダブルス、女子ダブルスすら滅多に放送しないのに、ミックスを録画とは言え放送するなんて、この2人が組まない限り考えられません。我々アマチュアプレーヤーはダブルス中心で日頃プレイしていますし、ミックスもよくやりますから、たまにはプロのミックスを見てみたかったので、楽しめただけではなく勉強にもなりました。

 伊達・錦織組の相手はアルゼンチンのドュルコ・シュワンク組。シングルスでは中堅クラスですが、ダブルスは強国アルゼンチンでもエースクラスで、ミックスでも昨年の全米で準優勝している強敵です。即席ペアの伊達・錦織組では正直厳しいかもと思いました。解説の杉山愛も言っていましたが、ミックスはやはり男性のプレーが鍵を握ります。これはプロもアマも同じ。いかに男性が相手の女性を上手に攻めて崩すかです。女性に遠慮してしまう優しい男性はテニスが上手くてもミックスは弱いと相場が決まっています。

 錦織はまだ若いし、いかにも女性に甘そうな顔をしているので、ベテランの伊達がどれだけ支えられるかなと思ってみていたら、これが全然心配ありませんでした。錦織はドュルコのサイドにも強打を何本も放ってエースを取りますし(さすがにボディショットは打ちませんでしたが)、サービスもきちんとエースを取っていました。遠慮も手加減も一切なしです。むしろ相手のシュワンクの方が伊達に遠慮しているのか、甘いボールを打つことが多かったくらいです。

 また伊達も極めて男前なテニスで、シュワンクの強打にも真っ向から打ちあって負けてないし、ポーチにも積極的に出ていきます。伊達の駆け引きでミスを誘ったポイントが何本もありました。男子のボールが怖くないのかな?と思うほど気が強くて、錦織のボールに腰が引けていたドュルコとは大違いでした。40才過ぎたオバサンが20代の男子プロと本気で打ち合って打ち勝つなんて真似ができるのは、世界に伊達公子ひとりでしょう。

 しかも2人とも最初から最後まで笑顔でリラックスしてテニスを楽しんでいました。強打や強気のプレーだけではなく、巧みなテクニックも随所に見せて観客を驚かせたり楽しませたりしながら、自分たちもどんどん乗っていっていたのは、テレビのバラエティ番組で松岡修造に鍛えられた効用なのではないかと思いました。

 試合は6-4、6-1と完勝。わずか58分で終わったので心配された錦織の疲労もほとんど残らなかったことでしょう。しかも本来なら次に当たるはずの第1シードが敗れてしまい、2回戦の相手はロディックの欠場で急遽参加を決めたイタリアペア。なんだかツキまであります。このまま勝ち進んで優勝なんてことになったら、史上初の日本人ペアによるグランドスラム制覇の快挙です。その可能性も十分に感じさせた伊達と錦織のミックスダブルスでした。



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