幹事クリタのコーカイ日誌2012

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1月13日 ● ネガとポジ。

 僕は子どもの頃、ものすごくネガティブ思考な子どもでした。いろいろ先のことを考えて、ひとつでも不安や心配事があると、それで頭がいっぱいになってドーンと落ち込んで暗くなっているような子どもでした。仮にひとつも不安な事が思いつかなくても「そんなうまくいくばかりではないはずだ、きっと何かトラブルが起きるに違いない」と考えてビクビクしていたものです。何よりもうまくいくこと、スムーズに物事が運ぶことが大好きで、それゆえに最悪の事態を常に想定していました。

 だから子どもの頃から危機回避能力は高かったのですが、反面実につまらない味気ない思いをしていることも多く、子どもらしい明るさとか活発さが欠けていたと思います。小学校4年生までの通知表の担任の所見欄には毎回のように「もっと明るく元気に」というような事が書かれていました。そして「そんなこと言われても」という気持ちと、こういう性格はイヤだなという、ふたつの思いが交錯していました。自分でもちょっと繊細過ぎる、もっと剛胆になりたいと思っていました。

 それが少し変わり始めることができたのは、小5の時の担任とクラスの仲間のお陰でした。陽気で明るい性格の先生が上手にリードしてくれたので、イヤだと思っていた自分を吹っ切って、バカをやったり冗談を言ったりすることができるようになりました。それを受け入れてくれる仲間もいました。もちろん、中身まで変わったわけではないのですが、ある程度は自己演出ができるようになったのです。そして、そうやってバカで明るい奴を演じていると、少しずつそれが性格にも影響を及ぼしていき、ネガティブ一辺倒だった思考も少しずつ変わり始めたのです。

 とは言え、変わるには本当に長い時間がかかりました。中学生になっても高校生になっても大学生になっても、見た目の明るいキャラクターに関わらず中身は相変わらず不安だらけ。いつも最悪の事態を考えて準備する性格は変わりませんでした。社会人になってからはむしろ逆戻りしたくらいで、新入社員時代は小4の頃に戻ったかのような引っ込み思案の暗いキャラクターになっていました。新しい環境に対する順応性が低いのです。

 仕事に慣れるにつれて、少しずつそのネガティブさは引っ込んでいきましたし、すっかり古参社員となった最近では全然そんな風に見えないと言われることもあります。ただもしそう見えているとしたら、それはやはり自己演出の部分が大きく、芯のところでは小学生の頃と大差ないことは自分でもわかっています。そして、未だに「もっと明るく元気に」なれたら良いなと願っています。

 なんでこんな事を書いているかと言うと、先日会った人に「クリタさんはポジティブで良いね」と言われたからで、その場では「そうでもないよぉ」と笑っていたんですが、果たして自分でもどこまでポジティブに変わることができたのかは良くわからないのです。全然変わっていないような気もするし、随分と変わったような気もします。その時々で精神状態も違うので、ネガの時もあればポジの時もあります。昼間は前向きでも夜になると後ろ向きなことも多いです。

 変わろうと思って40年経っても、まだこんなものなんだから、人生はなかなか思うようにはなりません。



twitterでもつぶやいています@kanjikurita

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