幹事クリタのコーカイ日誌2011

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12月10日 ● 美しい文字を書こう。

 20代の仕事仲間の女性から「筆記体を書いて写メで送って」とリクエストがあったので、サラサラと書いて送ったところ「上手」だと誉めてもらいました。昔から筆記体は好きでよく書いていたので形を綺麗に整えるのも得意です。彼女の同世代の人たちは学校で習っていないので適当な自己流なんだとか。そう言えば今はもう筆記体を習わないって話は聞いていました。

 ネットで調べてみると、1980年代まではどこの中学でも1年生の時に最初に筆記体を習っていたみたいです。その後に学習指導要領で筆記体は必須ではなくなり、公立中学の土曜日休みに合わせて授業時間が減って教えなくなったということです。ただ私立中学では今でも1年生の時に教えているところもあり、若い子たちが全員筆記体を知らないということでもないらしいです。

 アメリカでも今ではサイン以外ではほとんど筆記体を使わないし、筆記体を書けない、読めない人がたくさんいるそうです。日本人の大半が草書を読めないのと同じです。ただあのアメリカ独立宣言の美麗な筆記体の文化がほとんど残されていないというのは残念なことです。美しい文字を書くという文化は大切にした方が良いと思うのですが、洋の東西を問わずどんどん「伝統芸能」化してしまうのかも知れません。

 こうなった大きな要因はコンピュータの普及にあることは間違いありません。手書きをしなくなり、特に公的な文書、人に見せる文書はほとんどプリントアウトしたものになりました。僕たちコピーライターも昔はキャッチフレーズやボディコピーを原稿用紙に手書きでクライアントに見せていました。当然内容だけではなく文字自体の表現力も重要視され、美しい文字、もしくは味のある文字を何とか書こうとしたものです。同じキャッチフレーズでも字に味があると伝わり方が違うのです。当時は字を見ただけで仲間の誰が書いたコピーかすぐにわかったものです。

 四半世紀前に比べて今では手書きをする機会が本当に減りました。かつては1日に仕事で何千という文字を書いていたのに、今や1日100文字も手書きしません。書かないと漢字もどんどん忘れていくし、何だかボケるような気さえします。ボケ防止のためにも美しい文字をたくさん書きたいと思います。




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