幹事クリタのコーカイ日誌2011

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11月30日 ● 橋下は本当に大阪を変えられるのか。

 大阪府知事と大阪市長のW選は鮮やかなほどの橋下徹の圧勝に終わりました。全ての既成政党と経済団体と労組とマスコミを敵に回して、それでもなおかつ圧勝する橋下の人気は、いくら面白いモノが好きな大阪と言えども目を見張るものがあります。「大阪都構想」が支持されたと言うよりも、今の政治と政治家にうんざり飽き飽きしている人々がいかに多いかということを如実に示した結果になりました。

 さて、問題は今後です。いくら府民、市民の支持を得たとは言え、相手は海千山千の議員と役人。そうそう簡単に彼らが橋下の言うとおりに動いてくれるはずもありません。全ての既得権益層と戦おうという橋下の戦いは選挙で勝つよりもはるかに難しいことは誰の目にもわかります。例え「ハシズム」と揶揄されようとも、手練手管を使い時には恫喝をしてでもやり通さなければ、結局小手先だけの変革にとどまり根本は何も変わらなかったという結果に終わることでしょう。

 かつて長野県知事になった田中康夫もそうでした。彼が知事を辞めた途端に役人は新しい知事と一緒にせっせと全てを元通りにして「なかったこと」にしていきました。いま大村愛知県知事と河村名古屋市長が対立しています。河村がいくら大胆な改革をやろうと思っても、現実には多くの壁に前をふさがれて身動きが取れません。盟友であるはずの大村までが壁になってしまい、公約だった市民税の10%減税すら諦めて、公明党と結ぶことで7%に下げて何とか実現しようと躍起になっているところです。

 一見大阪の全ての権力を握ったかのような橋下も河村と同じです。わかりやすいパフォーマンスで人気を得ることができても、ここから先は全て敵では何も通すことはできないでしょう。各個撃破していくためには当面の敵以外とは手を結び、ひとつ片付けたら次の敵に向かうという戦略を取らないと包囲網で潰されてしまいます。そこまでうまく橋下が立ち回ることができるのかどうか、目的のためには手段を選ばないくらいの覚悟がないと結局橋下が辞めた後に全て元通りにされてしまい、単なる空白期間でしかなかったことになってしまいます。

 ところで橋下の圧勝を見て早速小政党が彼にすり寄っているようです。選挙前から連立しているならともかく、勝った後に手揉みしながら近づいていくのは本当にさもしい姿だと思いますが、本人たちはそんなこと微塵も感じてはいないんでしょうね。




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