幹事クリタのコーカイ日誌2011

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11月28日 ● 稀勢の里を本当に昇進させて良いのか。

 大相撲九州場所は稀勢の里の大関取りが注目を集めましたが、残念ながら昇進基準となる直前3場所で33勝にひとつ届かない10勝止まり。これで初場所にまた昇進をかけることになると思われました。ところが14日目を終わったあたりからいきなり協会内部で「昇進ムード」が高まり、九州場所10勝で終わっても大関昇進させようという話に様変わり。実際千秋楽で琴奨菊に敗れたものの、どうやら内定を得て来場所の大関が確定となった模様です。

 1999年に32勝で大関昇進した千代大海以来の低レベルでの昇進となるわけですが、その理由が「クリーン」さにあると言うことらしく、そんな理由で特例で昇進と言われたら「なんじゃそりゃ」です。だって、それではこれまでの大関は「クリーン」じゃなかった、つまり八百長で星勘定を合わせて昇進していたということを認めているようなものです。ガチンコの稀勢の里だったら昇進条件を甘くするということは、そういうことに他なりません。

 協会としては国技館の優勝額が32枚全て外国人力士になったことからも、一刻も早く日本人横綱を誕生させて人気復活を図りたいということなんでしょうが、だからと言って日本人だから基準を甘くしてでも昇進させるというのでは、それもまた「クリーン」ではありません。

 例えばモンゴル人関脇の鶴竜は、ここ4場所、関脇で12勝、10勝、9勝、10勝の合計41勝です。この4場所の成績では稀勢の里の40勝を上回っています。もし来場所鶴竜が13勝を上げて直前3場所32勝になったら、協会は大関昇進を認めるでしょうか?もし認めなければ、その理由は鶴竜が「クリーン」じゃないからか、モンゴル人だからかのどちらか(もしくはどちらも)だと思われても仕方ありません。

 確かに稀勢の里は白鵬に連勝したこともあるように地力のある良い力士だと思います。でもだからこそ、きちんと来場所にもう一度チャンスを与えて堂々と大関昇進させてやれば良いのではないかと思います。ここで点数を急に甘くすることは決して良いことではありません。協会のそういう場当たり的な姿勢が、いつまで経っても大相撲全体の信用回復につながらない原因のひとつなのです。




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