幹事クリタのコーカイ日誌2011

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11月12日 ● 巨人のイメージダウンだけは間違いない。

 巨人がまたまた騒動を引き起こしています。清武球団代表GMが、かのナベツネこと渡辺恒雄球団会長を「コンプライアンス上の重大な問題」だと会見で訴えたのです。いったい何事かと思ったら、いったん決まっていた岡崎ヘッドコーチ留任という人事を、ナベツネが強引に「江川をヘッドコーチにする」とひっくり返したんだとか。それで、怒った清武が涙目で会見したということです。

 清武の主張、というか、気持ちは良くはわかります。サラリーマンなら誰でも大抵一度や二度はこういう理不尽な目に遭うものです。独裁者のナベツネに振り回されて切れちゃったんでしょう。ただ、これってわざわざ文部科学省まで出張って予告してまで会見するようなことですか?単なる人事を巡る社内の内紛でしょ。しかも岡崎とはまだ内示だけで契約を結んでいない状態だったんですから、直前になってキャンセルというのは倫理的な問題はともかく法律上は違法でもないし、仮にそうでも違約金を払って和解できるレベルの話です。

 清武は「コンプライアンス」と言っていますが、コンプライアンスとは法令遵守のこと。これはガバナンス(企業統治)の問題です。コンプライアンスと言うなら社会的に問題になるような暴力事件とか裏金とかドーピングとか、もしくはナベツネの横領とか収賄とか、そういうことならわかります。今回のような人事のゴタゴタは内輪で解決すべき筋の問題で、会見を開いて世間に訴えるようなことではありません。

 ただ相手がかのナベツネですからね。読売グループの独裁者と言うよりも、現代日本で石原慎太郎と並ぶ二大トリックスターです。内輪で普通に解決できるわけもないだろうし、世間に訴えた方が面白いし話題性も十分と踏んだのかも知れません。週刊誌やスポーツ新聞、ワイドショーなどは美味しいネタを提供してくれたと大喜びしていることでしょう。老害も困りますが、こういう純情を装った正義派もまた困ったものです。結局巨人という球団のイメージがまたまた大きく損なわれてしまったのですから。

 ちなみにこれは「TPP隠し」ではないかという陰謀論大好きな人びとによる穿った見方があるみたいですが、そんな大それたことを巨人は考えていないですよ。それにこの程度のことでは全然TPP隠れてないですしね。

 それと、江川も可哀想ですね。とばっちりも良いところ。こういう時に限って名前が出てきちゃうんですね。とことん、そういう人生に生まれついてしまったのかと同情してしまいます。




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