幹事クリタのコーカイ日誌2011 |
10月1日 ● 10年前のテニス必勝メモ。 もう10年くらい前のことですが、うちのテニスサークルにUという男がいました。僕よりは10才くらい年下だったのですが、テニスの実力は当時のサークルではピカイチ。大学の体育会でコーチができるほどの腕前でした。ただ、性格にかなり難があり、テニスが上手いのでいろいろなところへ呼ばれるものの、しばらくすると煙たがられて敬遠されてしまうことの繰り返しで、うちのサークルに流れ着いたようです。 そのUと一度だけペアを組んで試合に出たことがあります。小さな手作りの草大会でしたから、Uの力をもってすれば優勝して当然のレベル。ただしペアの僕は当時まだその大会でせいぜいベスト8くらいの実力だったので、僕がどれだけ足を引っぱらないようにするかが優勝へのポイントでした。 普通そういう凸凹ペアの場合は、下手が萎縮してさらに下手にならないように、上手な方はミスしてもなるべく励ましてリラックスさせるようにするものです。失敗したことを誰よりも悔やみ責任を感じているのは当の本人ですから、責めたりしてもロクなことにはなりません。ところがUはそんなことはお構いなしに、僕がミスをするたびに一々厳しい口調で指導をしてくるのです。いや、ミスをしなくても、たとえポイントを決めても「もっとこうしろ」と怒られました。 1回戦から準決勝までの4試合は楽勝でしたが、決勝戦で負けてしまいました。もちろん僕のレベルだけが決勝を戦った4人の中で格段に落ちるから仕方ないのですが、Uは勝っても負けても5試合ずっと僕に対して指導し続けました。相手が同情して「クリタさん、よくあれで組んでられますね」と言うくらいに厳しい叱責でした。言われている内容はごもっともなことばかりだったのですが、でも言われて簡単にできるようならとっくにやってます。練習でできないことを試合でいきなりできるわけはないのです。その時は最後まで我慢して戦った自分を偉いとさえ思いました。 Uとは二度と組んで試合に出ないと堅く心に誓うほどショックでしたが、せっかく1日我慢を重ねてテニスをしたのですから、言われたことだけは覚えておこうと思い出せる限りのことをメモにして残しておきました。これを糧にしてテニスを上達しないと、その日の我慢が無駄になってしまうと思ったからです。 先日、久しぶりに、恐らく8年ぶりくらいにそのメモを開いてみました。書いてある内容を読んだ僕は唖然としました。あまりにも当たり前の基本的なことばかりが書いてあったからです。長くなりますが、全部書き出してみます。全てその日の試合中に言われたことばかりです。
<サービス> いま初級〜中級の人に自分がアドバイスしていることばかりです。こんな基本を10年前は注意されていたのですから、いかに当時の自分のテニスがまだまだだったのかを示す証拠のようなメモです。この程度のことができていなかったのだから、Uが僕に試合中でも文句を言いたくなる気持ちもわかります。そして、今は多分ここに書いてあることは、ほぼクリアしていると思いますから、10年でかなり僕のテニスも進歩したなぁと感慨に耽りたくなりました。なんだかんだ言って、Uの指導は僕の心に残り日々実践していたようです。Uには感謝しなくてはなりません。 テニスの試合でなかなか勝てない初中級者の方々、このメモの内容をきちんとやれば、中級レベルまでならかなり勝率は上がりますよ。要は確率を上げてミスをしないようにするための基本的なアドバイスですから。ぜひ参考にしてください。
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