幹事クリタのコーカイ日誌2011

[ 前日翌日最新今月 ]


 
9月14日 ● ジョコビッチの時代。

 昨日は早起きして全米男子決勝ジョコビッチvsナダル戦を見ました。今季ここまでナダルに負けなしのナンバー1ジョコビッチが有利だろうと思っていましたが、案の定ジョコビッチが終始ナダルをリードしセットカウント3-1で勝利。全米初優勝を果たしました。

 ジョコビッチのテニスを見ていると「そうか、ナダルはこうすれば倒せるのか」と思ってしまいます。もともとジョコビッチはカウンターが得意なプレーヤー。リターンには定評がありますが、それに加えて最近は展開力が恐ろしいほどに向上しています。フェデラーばりの前後左右への展開でナダルを振り回していました。

 ナダルも相手がフェデラーならしつこくバックに打ち続けていればそのうちチャンスは巡ってくるのですが、ジョコビッチはよりしつこくナダルのバックを攻めてきて隙がありません。フェデラーの方が華麗に攻めてくる分だけ、ナダルのカウンターが一閃する機会も多いわけで、ジョコビッチが相手だとその隙すらナダルには与えてくれません。真綿で首を絞めるが如くジワジワとナダルを追い詰めていきます。これではナダルもジョコビッチに勝てないわけです。

 ジョコビッチが苦手なのはむしろフェデラー。今年ジョコビッチは2敗していませんが、そのうち1敗は途中棄権なので、ちゃんとテニスを最後までして負けたのは全仏準決勝でのフェデラー戦だけ。今回の全米でも準決勝で当たり、フェデラーに2本のマッチポイントを握られるところまで追い込まれました。そもそもフェデラーの攻撃的なテニスがツボにはまれば誰も止められませんし、ジョコビッチにはナダルのようにフェデラーのバックに高く跳ね上がるショットがないだけに、フェデラーの苦手なところを攻め切れません。来年は年間グランドスラムの可能性さえ感じさせるジョコビッチですが、鬼門となるのはナダルよりもフェデラーでしょう。

 いま不完全ながら3強の間ではジョコビッチがナダルに強く、ナダルはフェデラーに強く、フェデラーはジョコビッチに強いという三竦みが成立していますが、この三竦みではランキング3位のフェデラーが明らかにドロー上は不利です。優勝するためには必ず両者を倒さなければならないので、三竦みが成立していたら永遠にフェデラーは優勝できません。

 フェデラー復活のためには、まずナダルを抜いてランキング2位に上がること。そうすればナダルと対戦する前にジョコビッチが片付けてくれる可能性も大きくなるからです。まあ今のところそうなる可能性は限りなく低いですけどね。あるとしたら、体を酷使してきたナダルが故障してランキングを落とす場合が想定されますが、その前にフェデラーがより衰えて完全にジョコビッチ時代が到来すると思います。




twitterでもつぶやいています@kanjikurita

gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」