幹事クリタのコーカイ日誌2011

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9月13日 ● まるでニューヨークにいるかのような。

 2年前にサックスを習い始めた時に、それまでジャズやフュージョン自体大して聴いていませんでしたから、当然サックスをちゃんと聴いたこともありませんでした。持っていたCDもジョン・コルトレーンくらい。コルトレーンは渋くて良いのですが、酒を飲みながらBGMで流すには良くても、自分がこういうサックスを吹くというのは想像がつかなかったので、とりあえず「いま」売れている現代のサックスプレーヤーを聴いてみようと思って買ったのがソニー・ロリンズ、ケニー・G、そしてデイブ・コーズでした。

 この3人の中でも一番若々しくて親しみやすかったのがデイブ・コーズです。跳ねるような明るさ、伸びやかな音、太陽を感じさせる昼間のサックス。自分も吹くならこういうサックスが吹きたいと思わせてくれました。また彼が日本向けCDだけに収録した宇多田ヒカルの『First Love』の語りかけるような演奏も魅力的でした。

 そのデイブ・コーズが昨晩名古屋ブルーノートに来ました。今月の名古屋ブルーノートには注目のサックス奏者が目白押しで、他にも美人プレーヤーとして人気が高い小林香織、そしてナベサダに次ぐ知名度を誇るMALTAも来ます。しかし、この2人を差し置いてもやはりここはデイブ・コーズだろうと思ってブルーノートに行ってきました。今年もう何回目のブルーノートでしょう。ひとりでフラッと行くことに慣れてから、月イチペースで通っています。

 いきなり客席での『見上げてごらん夜の星を』から始まったライブ。これまで何人ものサックスのライブを見てきましたが、彼ほどファンサービスに徹し、ステージを盛り上げる人は見たことがありません。汗を流しながら常に笑顔で吹き踊る。MCも愛嬌たっぷり。僕の座っているテーブルのすぐ横で1曲吹いてくれたので、距離にして2メートル足らず。デイブの手の動き、口の形、息継ぎの仕方など参考になることはないか、一生懸命に観察してしまいました。

 昨晩はさらにスペシャルゲストとして『美女と野獣』の主題歌"Beauty and the Beast"でグラミーを獲得し、『アラジン』のテーマ"A Whole New World"もヒットしたピーボ・ブライソンが登場。ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにも名前を刻んでいるデイブ・コーズとのセッションは、ニューヨークのライブハウスにいるかのような錯覚を覚えさせてくれるほど「本物」。素敵な一夜でした。




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