幹事クリタのコーカイ日誌2011

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9月12日 ● あれから11年。

 アメリカ同時多発テロから10年、東日本大震災から半年、そして名古屋では東海豪雨から11年だった昨日。同時多発テロはまるで実感がなく、未だにあの映像を見せられてもリアルなこととは思えないような不思議な気分になります。東日本大震災は名古屋でも震度4を記録しましたから、地震の実感はありますが、津波や原発事故については正直こちらにいるとやはりリアルには感じられません。被災地に行った人たちから話を聞くと、それなりに伝わってくるものはありますが、所詮は傍観者からの伝聞に過ぎず、本当に被災した人たちの実感を自分のものにできるわけもありません。

 その点、11年前の東海豪雨は実際にその場にいただけに、今でも実感を持って思い出すことができます。1時間に100ミリを超える雨が集中的に降って、交通は麻痺し、家のすぐ近くでも地下鉄駅が水没、そして堤防が決壊し多くの家屋が床上浸水しました。大量に一気に降る雨の怖さ、それに対する都市の脆さ、交通が遮断された時のどうにもならない絶望。あの経験があるから、今回の台風12号の豪雨の怖さも実感としてよくわかります。

 結局人間というのはどれだけ想像力を働かせたところで、やはり実際に体験したことに比べたら、感じられることには限界があるということ。そして、逆にそうじゃなかったら、多発する悲劇にとても耐えられるものでもありません。「他人事」を「自分事」に、という言い方がありますが、自分のことにしてしまったら逆にできないこともあります。他人事だからこそ、客観的な立場から手を差し出すこともできるのだし、そういう立場の人もいないと物事を多面的に捉えてうまく進めることはできません。

 もっともどこかの大臣のように、他人事過ぎて幼稚な言動でおちゃらけて大臣の座を逐われるような人間もいるのは哀しくも情けないことですが。




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