幹事クリタのコーカイ日誌2011

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9月4日 ● 野田内閣の感想。

 野田内閣の顔触れを見て思ったことがいくつかあります。ひとつは40代の大臣が多い。これは素直に良いことだと思いました。自民党時代の派閥による順送り人事に比べれば、民主党は首相が直接一本釣りするのが基本のようです。それだけ縛りが少なく、自分が欲しい人材を揃えられるわけですから、当然仕事がしやすくなるはず。野田首相が54才とまだ会社なら部長くらいの年齢なのですから、当然部下には40代の課長クラスを揃えたいところでしょう。

 それに加えて60代のベテランも結構いますが、若い首相としては経験豊富な先輩もいて欲しいところです。何かあれば相談に乗ってくれる、知恵を貸してくれる先輩はありがたいものです。キャリアの浅いチームは勢いに乗っている時は良いですが、ちょっとうまくいかないとドミノ倒しになりやすいですから、うまく世代のバランスを取った組閣だったのではないかと思います。

 もうひとつは二世議員が少ないこと。どうやら1人だけらしいですが、あの麻生内閣の時の揃いも揃って二世三世の世襲議員ばかりだった時のうんざり感からすると、実に清々しい気分です。河村たかし名古屋市長が常々言っているように、家業が政治家という代々の政治一族は、鳩山家を典型にどこか感覚がおかしくなっていると思います。親から受け継いだ地盤看板で、楽に選挙を勝って当選する議員と、自らの才覚と努力と熱意で政治家になった議員とでは、どちらに仕事を任せたいかは自明です。

 残念なのは組閣に「党内融和」のお題目が前面に出過ぎていること。もちろん党内がまとまっていなければよりよい仕事ができないのは理解できます。しかし、内閣の使命は民主党の安泰ではありません。「党内融和」が仕事をする上で大事であっても、それは目的ではないのですから表に出すべきではありません。クライアントから仕事を受けた時にクライアントを向かないで社内を見て仕事をするようなものです。そういう観点から言うと、今回の組閣が本当に適材適所だったのか、甚だ疑問です。

 野田首相が「党内融和」にここまで気を遣わなければならない原因は、その前の世代、すなわち鳩山、菅、小沢の3人に問題があります。彼らが作った政党なのに、自分たちで内紛をして党内を乱しているから、次の世代に負の遺産を背負わせてしまっているのです。もう野田内閣発足を機に、かつてのトロイカはみんなすっぱり足を洗ってお遍路でも何でもしていれば良いのにと思います。院政とかキングメーカーを気取るなど、昭和の自民党の悪弊をなぞるだけ。世代交代を鮮やかにして若返ることが、民主党が今後も生き残るための鍵でしょう。




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