幹事クリタのコーカイ日誌2011

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9月3日 ● 台風の非日常感。

 子どもの頃の台風というのは非日常の象徴のような一大イベントでした。停電と断水に備えて非常袋を用意してお風呂に水をためます。家の周りに置いてあるゴミ箱とか植木鉢とかを屋内に入れ、屋根のアンテナすら取り外していた記憶があります。雨戸をしっかりと閉めて、ラジオとロウソク、懐中電灯などを傍らに用意。家族で寄り集まってテレビを見ながらドキドキワクワクしていました。

 あの頃のリアルタイムな情報源はテレビとラジオだけ。しかも簡単に停電する時代なのでテレビもいつまで見られるかわかりません。乾電池で聞けるラジオは必須アイテムでした。雨戸を閉め切ってしまうと外の様子がよくわからないので余計にドキドキします。台風の時に外出している人間なんて滅多にいないと思っていたし、そんな奴は飛んできた看板に当たって死んでしまうんだと信じていました。

 いまちょうど大型の台風12号がきています。窓の外を激しく雨が打ちつけていますが、昭和40年代のドキドキ感は随分と薄れてしまってありません。滅多に停電しないし、まして断水なんてよほどのことがない限りあり得ません。テレビだけではなくインターネットで刻々と情報が入ってくるので予測も立てやすいし、台風の中を気にせず出歩いている人もたくさんいます。僕も昨夜は屋内コートで予定通りテニスしていました。息子は台風の中、長野まで合唱部の合宿に出かけています。

 台風の威力自体は昔と大差ないだろうと思うので、この差はそのまま我々の「守備力」「経験値」が格段に上がったということに他なりません。家屋を含めたハードウェアの進歩は著しく、少々の風雨ではビクともしなくなりました。情報量も豊富だし、必要以上に台風を恐れる必要はなくなったのでしょう。

 もっとも、そうやって甘く見ていると手ひどいしっぺ返しを喰らうのが天災というやつ。暴風の中をふらふら出歩いていれば看板に当たるのは今も昔も変わりません。早く無事にこの台風が通り過ぎていくことを願っています。




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