幹事クリタのコーカイ日誌2011

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8月24日 ● 島田紳助の引退と鑑定団。

 島田紳助が突然の芸能界引退表明をしました。暴力団との親密メールが発覚した責任を取っての引退だそうです。まあ筋は一応通っていますが、いきなり即日引退と言うのは唐突過ぎるし、何か裏があるんじゃないかと憶測されるのも無理はありません。僕は多分、紳助が尊敬している上岡龍太郎や大橋巨泉のように早く芸能界を引退したかったので、今回のことを引退するための理由にしただけじゃないかと睨んではいますけど。

 ただ裏はあくまでも裏ですから、考えてもわかるわけはないし、政治家転身を勘繰っても現段階では仕方ありません。それよりもどうするのかと思うのは、突然放り出された紳助の持っている番組たちのことです。紳助は「行列のできる法律相談所」「人生が変わる1分間の深イイ話」「クイズ!紳助くん」「紳助社長のプロデュース大作戦! 」「開運!なんでも鑑定団」「クイズ!ヘキサゴンII 」とMCを務めるレギュラー番組だけで6つも持っています。一時期ほどの人気ではないにしろ、これだけ人気番組を抱えているタレントはいません。さらに春秋の「オールスター感謝祭」や今年12月に予定されていた「THE MANZAI」などもあります。これら全てを放り出してしまったことになります。もう各局の後始末が大変です。

 基本的には吉本興業が責任を持って当座は代理のMCを立てることでしょう。これまでにも紳助が傷害事件を起こして謹慎した時などと同じ対応です。ただ今回は引退ですから、いつまでも臨時というわけにはいきません。番組をそのままのスタイルで残すのか、大きくリニューアルするのか、打ち切りにして新番組を始めるのか。いずれにしても秋の改編に間に合わせるには余りに時間が少ないです。

 大半の番組は紳助の話術によって構成されていた番組ですから、基本的には大幅リニューアルもしくは打ち切りでしょう。ヘキサゴンは本来なら紳助なしでも番組としては成り立たない構成ではないのですが、「ヘキサゴンファミリー」なる紳助お気に入りタレントばかりが出ている以上、やはり現状で続けることは難しいでしょう。紳助に贔屓されてテレビに出してもらっていたファミリーたちも、これからは淘汰されていくので大変です。

 そんな中、紳助の持つ唯一と言っても良い良心的な番組が「なんでも鑑定団」。この番組だけは何とかテレビ東京に残して欲しいと思っています。この番組の紳助は最近のように偉そうに若手に説教を垂れるような紳助と違って、常に「よくわかっていない小僧」的な立場を貫いていました。相方が石坂浩二だったから蘊蓄を言ったり説教を垂れたりはできなかったのでしょうが、番組開始当時とほとんど変わらない立ち位置で、ほとんど番組の構成も変えないマンネリさがかえって番組の売りだったと思います。紳助が消えたのは痛手ですが、この番組の主役はあくまでも鑑定される出品物。最近ますますお年を召してきた石坂浩二だけでは心許ないので、誰か素人いじりが上手いMCを立てて今のまま続けて欲しいと思います。

 ちなみに紳助の引退表明で内心ガッツポーズをしている中堅芸人は多いことでしょうね。紳助が嫌いだったという意味ではなく、これで世代交代が進んでチャンスが回ってくる可能性が高まったからです。この20年、ゴールデンタイムのバラエティ番組は同じ面々によって独占されてきました。たけし、タモリ、さんま、紳助、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、所ジョージ。これら目の上のたんこぶのひとつが消えることで、さらに同世代のベテランたちが古く見えれば一気に若返りが進むかも知れません。まあ彼らに取って代わるだけの実力があるかどうかは別問題ですけど。




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