幹事クリタのコーカイ日誌2011

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8月20日 ● なでしこジャパンの課題。

 東日本大震災復興支援チャリティマッチと銘打たれた昨夜の「なでしこジャパン」vs「なでしこリーグ選抜」の試合。世界一になったなでしこの凱旋試合であるとともに、ロンドン五輪アジア最終予選前の壮行試合でもあるわけで、佐々木監督もいろいろと試しながらのゲーム采配でした。

 海外勢を欠いているものの、澤、宮間、石清水、海掘と主要なメンバーはほぼ揃っていた前半は、さすがになでしこが圧倒。3点のリードを余裕で奪って格の違いを見せつけました。ところが後半に入って、石清水を下げた途端にリーグ選抜に攻め込まれるようになります。ラインのコントロールをする石清水がいない上に、後半から投入された選抜の木龍のスピードに翻弄されてしまいます。その上、澤を下げたら攻撃が宮間頼りになって単調になり、挙げ句に決定的なチャンスも川澄が外すし、これが世界王者かと思うほど良いところがなくなってしまいました。

 結局後半は選抜に2点を奪われた上になでしこは完封されてしまい、試合は3対2で勝ったものの、攻守ともに課題が浮き彫りになった試合でした。特に澤と石清水を欠くと途端に浮き足立ち、宮間にボールを集めて何とかしてもらおうとする各選手のメンタリティは問題あり。むしろ惜しくも代表に漏れてしまった選抜の選手の方が自分たちで切り開こうとする意欲を感じました。

 五輪予選初戦のタイ戦は石清水が出場停止で欠場します。澤だってフル出場できるとは限りません。もし宮間にアクシデントが起きたら、強豪のオーストラリアや北朝鮮戦はもちろん、他の対戦相手でもかなり苦しい展開になることでしょう。世界一と言っても、たまたま運に恵まれたからであって、アジア予選も楽観視できるほどの実力差はないと思います。もちろん、そんなことは佐々木監督も選手たちもわかっているでしょうから、慢心することはないと思いますが。過密日程を乗り切るためには選手全体のレベルアップを図って層を厚くするという課題がはっきりしたゲームでした。




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