幹事クリタのコーカイ日誌2011

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8月7日 ● 8月6日は「ハムの日」?

 昨日クルマの中でラジオを聴いていたら若い女性のDJが「今日は8月6日ですねぇ。そう、「ハムの日」なんですよぉ!」と言ったので、ひとりクルマの中でずっこけていました。前後の流れがなかったので、これがギャグで言ったのか、真面目に言ったのか、いまひとつわかりにくかったのですが、どうも本気で「8月6日はハムの日」と言いたかったみたいです。

 僕たちの世代なら普通は8月6日と聞けば即座に「広島原爆投下の日か」と思うことでしょう。8月9日、8月15日と続く一連の戦争関連の日の中でも、やはり人類史上初の原爆投下の日である8月6日は特別です。20世紀の世界史の中でも最も重要な日のひとつでしょう。そういう思いがあるだけに、何の屈託もなく8月6日はハムの日、と言われてしまうと、「もうそれだけ戦争の記憶も風化したのか」と思わざるを得ません。

 数えてみれば今年は終戦から66年。「戦争を知らない子どもたち」も66歳です。戦後生まれの彼らが若者の代名詞だったのもはるか昔、今では高齢者の仲間入り。戦争を直接知っている世代は僕たちの親世代ですから、もうどんどん鬼籍に入っていきます。戦争の記憶が風化していくのも仕方ありません。

 ただ、だからと言って歴史のひとこまとして忘れられてしまっても良いとも思えません。今年は福島第一原発の事故があり、改めて「核の怖さ」を日本人は思い知らされました。核の平和利用である原発ですらNGという声が高まる中、核兵器がNGなのは当然のことだと思うのですが、実際には核兵器廃絶への運動も、戦争や原爆の記憶とともに風化し忘れ去られようとしている印象があります。

 12月8日が日米開戦の日なのか、ジョン・レノンの命日なのかは、まあ人によってわかれても良いでしょう。しかし、8月6日はあくまでも「広島の日」であって、「ハムの日」だけで話が終わってしまってはいけないと思います。あ、なんか「広島の日」「ハムの日」と書くとプロ野球の話みたいだなぁ、なんて思うところがすでに風化してきているのかも。




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